マイクロプラ、4分の1以上がタイヤ由来。専門家「独自の規制が必要」
早急な対策と国際連携が不可欠
タイヤ摩耗粒子の拡散範囲や蓄積場所など、未解明な点も多いそうです。生態系への影響を評価するためには、各添加物の毒性や環境中での挙動、特に影響を受けやすい生物種に関する詳細な情報が必要になるといいます。タイヤからのマイクロプラスチック排出を規制するために、今後は測定方法の標準化や効果的な規制の策定を急ぐ必要があるとのこと。 EUのユーロ7排ガス規制のような既存の規制に加え、酸化亜鉛などに代わる環境負荷が低い素材の開発や、国際的な研究・規制連携体制の構築が必要といいます。従来のマイクロプラスチックとは異なる性質を持つタイヤ摩耗粒子を独立した汚染カテゴリーとして認識し、集中的な対策を講じることが重要になってくるそう。 年間のタイヤ生産量は20億本を超え、車両の大型化と生産台数の増加が続く現状では、タイヤ摩耗粒子による環境負荷は今後ますます深刻化すると思われます。問題解決は、問題があると認識するところから始まります。国際社会が問題があるという共通認識を持って、具体的な対策を講じなければ、環境への悪影響は深刻化するおそれがあり、早急な対策が不可欠といいます。 Obanya氏は、The Conversationに寄稿した記事をこう締めくくっています。 「問題は、行動を起こす余裕があるかどうかではなく、行動を起こさない余裕があるかどうかです。」 Source: The Conversation, Science Direct Reference: Plastics Today, Du et al. 2022 / Ecotoxicology and Public Health, The Industry Project, EPA, U.S. Tire Manufacturers Association, California Department of Toxic Substance Control, American Chemical Society, SAE Mobilus, EU, Reuters
Kenji P. Miyajima