大谷「特別な週末」 ドジャース移籍後初のサヨナラ打
【ロサンゼルス19日(日本時間20日)=丹羽政善通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)は本拠地で行われたレッズ戦に「2番・DH」で先発出場し、2-2の延長十回2死一、二塁で移籍後初のサヨナラ打となる右前打を放った。4打数2安打1打点1死球で打率・353とし、ナ・リーグトップに再浮上した。チームは3-2で勝利し、3連勝を飾った。 痛烈な打球を右前に運ぶと、二塁ベース付近でチームメートから祝福の水を大量にかけられ、びしょぬれになった。4年ぶりのサヨナラ打を放った大谷は、興奮冷めやらぬ表情で振り返った。 「素晴らしい瞬間だった。長打ではなく、単打でしっかり打つ打撃だった。ああいう状況で打てたことが明日にもつながる」 2-2で迎えた延長十回2死一、二塁。観衆5万2656人の視線を一身に集めた。前の打席まで得点圏打率・224。リーグトップの13本塁打をマークしているものの、勝負どころでの一打を求められていた。 27歳の抑え右腕、ディアスと対峙。追い込まれながらも粘った。「その前のスライダーなどを、しっかりファウルにできていた。いい結果につながった」。最後は内角低めの94マイル(約151キロ)の直球を右前へ。二走のヘイワードがホームを踏んだ瞬間、ナインがベンチから飛び出してきた。 「特別な週末だった。ボブルヘッドデーでは打てなかったので、それ以降はしっかり打ちたいなと思っていた。こういう形で打てて良かった」 3連勝で勝ち越したレッズとの4連戦では、16日(日本時間17日)に自身の首振り人形が来場者に配られ、17日(同18日)はロサンゼルス市が「大谷翔平の日」に制定した。エンゼルス時代の2020年9月4日(同5日)のアストロズ戦以来、自身4年ぶり2度目のサヨナラ打。ロバーツ監督は「ストライクゾーンの見極めも良くなっている。(スイングの)ゾーンが広がっている時期もあったが、今は打つべき球を打っている」とご満悦だった。 大谷は打率・353まで上げてリーグトップに再浮上。得点圏打率は・240まで回復した。「ボール球を振らずに、ストライクを振る。その作業自体は変わらないが、状況に合ったバッティングができれば必然的に率も残る」。歓喜の水と汗がしたたる頰を紅潮させた。