「高校無償化」を利用できなくなる年収はいくら?
公立高校や私立高校などの授業料にあたる金額を実質的に無料、あるいは負担が軽減される制度が「高校無償化」です。家庭の負担が軽くなるうれしい制度ですが、制限なくすべての家庭が利用できるわけではありません。 今回は、高校無償化で支援してもらえる年収や、最初は対象外だったものの急に収入が減ってしまった場合に使える制度などをご紹介します。 ▼「住民税非課税世帯」や「多子世帯」は無料で大学に行ける? 無償化の要件を確認
高校無償化とは
高校無償化とは、私立・公立高校での授業料の負担をなくす、あるいは負担を軽減する制度です。 正式名称を「高等学校等就学支援金制度」と呼び、条件に該当する家庭が利用できます。 制度が始まったのは2010年で、2020年に公立高校だけでなく私立高校に通う学生も利用が可能に改正されました。 高等学校等修学支援金制度を利用すると受け取れる支援金の上限額は、高校の種類により変わります。 学校の種類ごとにおける上限額は表1の通りです。 表1
※文部科学省 私立高校授業料実質無償化リーフレット「支給額のイメージ」を基に筆者作成(2024年1月現在) 当制度は、日本国内に住所があり、収入の条件を満たしている方が利用できます。
高校無償化制度が利用できない年収はいくら?
文部科学省では、受け取れる上限額ごとの年収目安が公開されています。 表2では、家庭の働き方などに応じた年収制限の目安をまとめました。 表2
※文部科学省 私立高校授業料実質無償化リーフレット「対象となる方の判定基準について(2ページ)」を基に筆者作成 ただし、表2の年収の目安は収入が給与のみだった場合とされています。 子どもの人数やほかに所得があるかなどによって年収制限の額は変動するため、注意が必要です。 また、自身の家庭が実際に制度を使えるのかは、役所へ問い合わせてみることをおすすめします。
急に収入が減った際に利用できる制度
高校入学当初は家庭の収入が一定以上あったものの、病気やけがなどが原因で保護者の収入が著しく低下するケースもあります。 急に収入が減った際、使える制度が家計急変支援制度です。 家計が急変したとみなされる事柄に該当し、年収が約590万円未満相当まで減少した場合に利用できます。 月額3万3000円、公立高校などだと月額で9900円の授業料を支援してもらえることが特徴です。 家計急変支援制度は、申請をしてから審査があるため、年収が急に減った場合はなるべく早く申し込むことをおすすめします。 審査が通れば、申請した月もしくは翌月から支援金を受け取れます。 なお、収入が回復した場合は、必ず収入回復届出書を提出しましょう。 ※出典:文部科学省 家計急変支援リーフレット「家計急変支援とは(1ページ)」
親の働き方や高校の種類により支援の対象となる年収目安が異なる
高校無償化における年収制限は、親が共働きか、子どもの人数、高校などで異なります。 制度を使いたい場合は申請が必要なため、役所へ利用できるのか聞いてみることがおすすめです。 また、病気などで年収が急に大きく減った場合は、家計急変支援制度の活用も検討しておくといいでしょう。 出典 文部科学省 私立高校授業料実質無償化リーフレット 支給額のイメージ(1ページ) 対象となる方の判定基準について(2ページ) 家計急変支援リーフレット 家計急変支援とは(1ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部