思春期のウソにどう対応する?治療的里親で多くの思春期の子たちと接してきた土井高徳さんに聞く「許していいウソ」と「許してはいけないウソ」
親の教えはいつか必ず子どもたちの良心になります
思春期は確かに親の手元から子どもが巣立つ時期。けれども、精神的に大人になる分だけ、ゆっくり時間をかけて話をすれば、ちゃんと大人からのメッセージを受け取ることができる年ごろでもあるのです。だから、親を煙たがる時期ではあるけれど、親として「あなたのことを見守ってるよ」「困ったときは言ってきなさい」というメッセージは、どんどん発信してあげてほしい。 私はこう思うんですよ。親の教えはいつか必ず子どもたちの良心になるのだ、と。「どうしてウソはいけないのか」。その答えは、子どもたちが大きく成長したころ、自分を支えていてくれる親から受け継いだ良心が示してくれるのかもしれません。そのためにも、アクセル(ほめる)とブレーキ(叱る)の両方を使いながら、子どもを前進させてあげましょう。 土井高徳さん|一般社団法人おかえり基金(土井ホーム)理事長 里親。学術博士。保護司。医師や臨床心理士などと連携して、国内では唯一の「治療的里親」として子どもたちのケアに当たっている。福岡県北九州市で心に傷を抱えた子どもを養育する「土井ホーム」を運営。2008年11月、ソロプチミスト日本財団から社会ボランティア賞を、2023年11月、「治療的里親」としての長年の貢献から「守屋賞」を受賞。著書に『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』『怒鳴り親 止まらない怒りの原因としずめ方』(共に小学館新書)などがある。
構成/HugKum編集部 写真/繁延あづさ