2024年11月の「負債1,000万円未満」倒産41件 8カ月ぶりに前年同月を下回る、年間は4年ぶり500件超
2024年11月「負債1,000万円未満」倒産状況
2024年11月の負債1,000万円未満の倒産は41件(前年同月比10.8%減)で、8カ月ぶりに前年同月を下回った。しかし、2024年3月より9カ月連続で40件以上の高水準を維持している。 1-11月累計は504件(前年同期比14.5%増、前年同期440件)で、前年の年間件数(495件)を超えた。負債1,000万円以上だけでなく、同1,000万円未満の小規模倒産も増勢を辿っており、小・零細企業の厳しい経営環境を浮き彫りにしている。 産業別では、最多がサービス業他の18件(前年同月比14.2%減)で、構成比43.9%を占めた。以下、建設業8件(同±0.0%)、小売業5件(同25.0%増)の順。 形態別は、破産が40件と特別清算が1件で、すべて消滅型の倒産だった。 原因別は、最多は「販売不振」の28件(前年同月比12.5%減)で、構成比68.2%を占めた。 資本金別は、1千万円未満が40件(前年同月比6.9%減)で、構成比は97.5%だった。 物価高や人手不足が小・零細企業の経営を圧迫しているが、後継者不足も深刻な課題だ。東京商工リサーチが11月に実施した調査では、2024年の後継者不在率が62.15%で、前年(61.09%)から1.06ポイント上昇した。負債1,000万円未満の「後継者難」倒産も高水準で推移し、1-11月の累計は32件と前年同期(31件)を上回った。 「金利のある世界」へ突入し、これまでのビジネスモデルでは経営が立ち行かなくなる企業の増加が危惧されている。代表者が高齢の企業ほど、経営改革や新たな投資に消極的になりやすい。事業価値を毀損しない円滑な事業承継、後継者育成、そして円満な廃業が重要度を増している。 ※本調査は、2024年11月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。