E30「M3スポエボ」が4000万円オーバー! BMWファンならずとも注目するホモロゲモデルは価格上昇中です
スポエボの人気は絶対的? 相場はじりじりと上昇中
BMW M3スポーツ エボリューションの生産台数については、FIAのES規約が指定した最小台数の500台ほか諸説あるとのことながら、RMサザビーズ社のカタログでは1989年12月から1990年3月にかけて600台が生産されたという説をとっている。 今回RMサザビーズ「MIAMI 2024」オークションに出品された個体は、M3スポーツ エボリューションとしてはデフォルトだった「ジェット・ブラック」のボディカラーに、ブラック/アンスラサイト(濃灰色)の「BMWモータースポーツ」仕様のファブリック製インテリアを組み合わせている。 一連の「エボリューション」エディションと同じく、ミュンヘン郊外ガルヒンクの「BMW M」部門ファクトリーからラインオフ。1990年4月に、英国のカスタマーに新車として納車されたのち、34年後の現在に至るまでの歴代オーナーは3人。いずれも几帳面なケアを施してきたとのことである。 この個体は、希少なホモロゲーションスペシャルである「スポーツ エボリューション」市販車のなかでも、とくに仕様の整えられたもので、パワーウインドウやエアコンディショナー、ヘッドライトウォッシャーなど、当時はオプションだった装備を贅沢にセレクトしている。 くわえて特徴的な赤いシートベルトや、シートのボルスター部分にステアリングホイール、ハンドブレーキレバーのスウェードトリミングは、カタログ作成時の走行距離にしてわずか2万6683マイル(約4万2700km)という少なめなマイレージに見合った、適切なコンディションで維持されている。 E30世代M3のファイナルバージョンでもあるM3スポーツ エボリューションは、もとよりホモロゲーションスペシャルとして高い人気を誇っている初代M3でも格別のモデル。一般向けに市販されたのはわずか500台という希少価値も加わって、このBMWモータースポーツの最高傑作のひとつを購入できる機会は決して多くはない。 そんな自信たっぷりのコメントとともに、RMサザビーズ北米本社は出品者である現オーナーとの協議の結果として、25万ドル~28万ドルというエスティメート(推定落札価格)を設定。 そして迎えたオークション当時の競売では、売り手側のもくろみどおりにビッド(入札)が進み、最終的には26万8800ドル、現在の為替レートで邦貨換算すると約4080万円で落札されるに至ったのだ。 ちなみに2023年5月、同じRMサザビーズの欧州本社が開催した「Villa Erba」オークションにおいて、比較的近い条件のM3スポーツ エボリューションが21万2750ユーロ、当時の日本円に換算すれば約3260万円で落札されているのだが、米ドルとユーロの為替の違いを考慮しても、このモデルの国際マーケット相場価格は上昇傾向にあるかと思われる。
武田公実
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