最新の会社四季報「秋号」で分析!“進捗率”で読み解く「業績上振れ期待度」50社ランキング、2024年度の滑り出しが計画よりも好調な企業はどこか
今期は第1四半期に売却したため、進捗率が過去3年の平均より跳ね上がった。ただ、虎の子のメルカリ株は残り少なくなっており、教育や人材マッチング、Web広告関連などの事業はまだ育成途上のため、進捗率が高くても会社自体に対する評価は難しい。 ■保土谷化学は好発進で四季報予想も増額 3位の保土谷化学工業は色素やトナー材料などを手がける化学系メーカー。第1四半期は前年同期の8.4倍に相当する28.4億円の営業利益を稼ぎ出した。同社の年間営業利益計画は45億円(前期比13.9%増)なので、滑り出しの3カ月だけで進捗率は6割超に及ぶ。
第1四半期は海外のプリンター向け材料やスマートフォン向けのアルミ着色用染料、スマホ向け有機EL材料などが大幅に伸び、増収率が4割を超える勢いだった。さすがに第2四半期以降は巡行速度に戻るが、四季報は会社計画を過少と見て、最新の秋号で年間の営業利益見通しを55億円(前期比39.2%増)に引き上げている。 4位は近畿を地盤にマンション企画開発・販売を手がけるエスリード。 前期からのずれ込み案件があって、今期は第1四半期の引き渡し戸数が大幅に膨らんだ。
5位の日本ヒュームは下水道向けヒューム管やコンクリートパイルの大手。パイルは価格改定の効果や前期からの継続工事が順調に進捗。下水道関連分野も収益性の高い合成鋼管や道路向けプレキャスト製品が伸び、第1四半期の営業利益は前年同期の0.7億円から8.9億円にまで拡大。すでに会社計画(17億円)に対する進捗率は5割を超え、四季報は最新の秋号で年間営業利益の予想を21.5億円(前期比55.7%増)へ引き上げた。
6位以下にも、さまざまな業種の企業が並ぶ。このランキングを増額が期待できそうな銘柄探しの参考にしてほしい。ただし、注意も必要だ。業種によって繁忙期は異なる。夏が繁忙期の業種もあれば、官公庁相手の商売なら年度末の2~3月が繁忙期だ。業種や企業によって、事情は異なる点も念頭に入れておこう。
又吉 龍吾 :東洋経済 記者