スペイン戦ほうふつ“堂安律の形”で2戦連発!強烈な左足で右隅にズドン!右WBで新境地、久保とも共存可能に
◆26年北中米W杯アジア2次予選▽第6戦 日本5―0シリア(11日・エディオンピースウイング広島) サッカー日本代表(FIFAランク18位)はホームでシリア代表(同89位)を5―0で下し、2次予選を6戦全勝で終えた。既にB組1位で最終予選進出を決めていた日本は、MF堂安律(25)=フライブルク=が、日本代表では初となる右ウィングバック(WB)での先発出場で、前半19分にチーム2点目となるゴールを決めた。2日に一般女性と結婚を公表してから2戦連発で、国際Aマッチ50試合目の出場で通算10点目。新たなポジションでも、背番号10にふさわしい存在感を見せつけた。 森保ジャパンの新たな翼が、チームに進化の可能性を生んだ。前半19分。右サイド内側でMF久保からのパスを受けた堂安は、ファーサイドを狙うような体の向きから、2人のDFの間を抜く低い弾道でゴール右隅を射抜いた。22年カタールW杯のスペイン戦でのゴールと同じく、ペナルティーエリア右から強烈な左足でねじ込む“堂安律の形”。結婚公表後、2戦連発となる鮮やかなゴールだった。 「臨機応変にプレーできれば、もしかしたら(WBが)自分の最適なポジションになるかもしれない」。新ポジションへの手応えを隠さなかった。スピードがあり、縦への突破からクロス、というかつてのWB像ではない。「スピードスターではない自分が、ポジショニングや駆け引きで右サイドを制圧する。モダンなサッカーで楽しい」。前半は3バックの右の冨安、右シャドーの久保と連係しながらの攻撃に、確かな手応えを感じ取っていた。 また“逆の翼”左WBのMF中村は、縦へのドリブル突破からの左足クロスでFW上田の先制点をアシスト。8強で敗れたアジア杯、得意とする左サイドから中へのカットインを警戒され持ち味を発揮できなかった悔しさをかみしめ、Sランスで磨いてきた技だった。「このままでいいのか、という思いが自分の中であった。ばんばん縦に仕掛ける、ということを個の強いフランスでやってきた」。堂安とは違った持ち味を発揮し、勝利に貢献した。 森保ジャパンの両翼はMF伊東純也、MF三笘薫と絶対的存在がいるが、堂安、中村がWBで起用できるめどが立てば、人材豊富な2列目のアタッカー陣を活用することもできる。4―2―3―1では最大3人の同時出場しかかなわなかったが、この日は中村、南野、久保、堂安と4人が同時出場。南野、久保、堂安が同時先発したのは森保ジャパンで臨む国際Aマッチ82試合目で初だ。 堂安にとっては同じ左利きでポジションが重なることが多かった久保とも共存可能となった。「強くなろうと必死にやっているんで、楽しみにしてほしい」と堂安。挑戦の先にある成長を見据え、さらなる高みへと一歩ずつ進んでいく。(金川 誉)
報知新聞社