定岡正二・篠塚和典・槙原寛己の深掘りトーク! お題「2022シーズンを振り返る!」(後編)【昭和ドロップ】
3人が見つけた隙?
クイズです。前回の写真とどこが違うでしょう。
都内某所のとある和食屋さんで、前回のセ・リーグ編に続き、『昭和ドロップ!』の3人のオヤG(言わずとしれた巨人の略)が今回はオリックスが連覇を飾ったパ・リーグの2022年を振り返っていく。3人ともオリックスがヤクルトを倒した日本シリーズの戦いをじっくり堪能したようだ。 構成=井口英規 ※取材は11月11日 ──では、次にパ・リーグです。まず、連覇と日本一達成のオリックスからにしましょう。ヤクルトとの日本シリーズで勝って、一気に全国区になった気がします。ウチの会社の女性社員(もちろん週べ以外の部署)も「あんなにかっこいい人がたくさんいるチームとは思わなかった!」と少し顔を赤らめ言っていました(笑)。 定岡 ダブル山崎(山崎福也、山崎颯一郎)、山岡(山岡泰輔)あたりかな。令和のイケメンは多いですね。 槙原 昭和のイケメン、サダさんには勝てないでしょ(笑)。 定岡 バカやろう(笑)。でも、試合内容も去年に続いて面白かった。僕も見入っちゃいました。しかもオリックスはイチローがいた1996年以来、26年ぶりの日本一ですよね。久しぶりというのはやっぱり盛り上がります。96年は巨人に勝ってだったけど、シノはまだ現役だった? 篠塚 いえ、僕は94年が最後で、96年はコーチでした。 定岡 シノは日本シリーズのオリックスをどう見ていたの。 篠塚 短期決戦ですから絶対勝つとは思いませんでしたが、いけるかもとは思っていました。最初はちょっとバタバタしましたが、前年度のリーグ優勝が自信になっていましたね。あきらめなかった。あとは勝ちパターンがあった強みかな。シーズン終盤からそうだけど、継投の勝ちパターンができていたので、そこに持っていけばという安心感と、試合のリズムがありました。 定岡 でもさ、1戦目から負け、引き分け、負けだよね。普通めげるよな。しかもエースの山本由伸が故障だからね(第1戦に先発も途中交代)。それでも中嶋(中嶋聡)監督がバタバタしなかった。ヤクルトは逆になんていうのかな。2勝したことで……。隙……。 篠塚 (サダさんの「隙」の発言にかぶせるように)隙ができましたよね。 槙原 (同じく2人とほぼ同時に)隙ですね。 定岡 でしょう! 3人みんな同じこと言うじゃないですか。 篠塚 3戦を終えて2勝1分けなら、われわれの89年の逆だけど、これは勝てると思うよね(対近鉄日本シリーズ。3連敗から4連勝で巨人が日本一を飾った)。 槙原 短期決戦ですし、一度、流れが相手に行ったら、なかなか取り返せないですからね。 定岡 油断とは言わないけど、そういう熱量みたいなものの違いは僕ら第三者から見てあった。あとチームとして村上(村上宗隆)、山田(山田哲人)をいかに抑えるかという戦略がありました。2年連続で負けるのは嫌だという気持ちの強さを感じましたね。 篠塚 それにさ、ラオウが頑張ったよ、ラオウがやっと(笑)。 ──(シノさんが青学大時代に教えた)杉本(杉本裕太郎)ですね。シーズン中は今ひとつでしたが、CS以降はよく打ちました。 槙原 日本シリーズはMVPを獲りましたからね。 篠塚 レギュラーシーズンが終わったときは「インコースが打てません」って泣き言、言ってたけどな(笑)。 定岡 ヤクルトは杉本のインコースを攻めてはいたけど、そこまで厳しくはなかった。 槙原 ピッチャーからすると、インコースって難しいですからね。当てたくないから、そうそう厳しくいけない。しかも杉本の場合、球が甘くなったら長打もあるし、右におっつけることもできるじゃないですか。打率はそこまでよかったわけじゃないけど(杉本の日本シリーズは打率.231)、ヤクルトにしたら、嫌なところで打たれてましたよね。 ──オリックスは吉田正尚もサヨナラ弾(第5戦)がありましたが、打率自体は.174と高くなかったですよね。 槙原 吉田正は徹底して勝負を避けられましたからね。ただ、前はオリックスと言えば強打線の印象があったけど、今はパ全体の投高打低もあってか、そこまでは感じなかった。それに僕は(ヤクルトの捕手)中村(中村悠平)はいいリードしていたと思いますよ。特に3戦目までは。 定岡 うん。4戦目以降にしても、むしろ中村のリードどおり投げ切れなかった投手陣の問題じゃないかな。マクガフとかさ。 槙原 去年のシリーズがそうだったけど、彼は打たれても次の日は平気な顔をして抑えることがあったから、それを期待したんでしょうけど、今回はダメでしたね。5戦目のあと6戦目でも打たれてずぶずぶになっちゃいました。 定岡 第7戦はベンチからも外れていたしね。 槙原 でも、ヤクルトがダメというより、今回はオリックスじゃないですか。特に・・・
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週刊ベースボール