元ZONEのMIZUHO「実力派と言われてもそれって顔じゃないってこと?」デビュー後の葛藤と今だから語れる脱退の理由
── 大人が思っていることとのズレとは、具体的にはどんなことですか。 MIZUHOさん:たとえば、キャラ作りなどもそうです。当時、歌番組にたくさん出させてもらっていたのですが、そこでトークをする際にMCの方からちょっとおもしろくイジられたことがありました。私自身は楽しかったんですけど、そのあと週刊誌に「MIZUHOがショックを受けて泣いて学校に行けなくなった」というような嘘の内容を書かれたことがあって。毎日、学校には楽しく通っていましたし、番組でおもしろいことをするのも大好きでした。
事務所的にイメージがよくないと思ったのか、その後から「ふざけるのを辞める方向で」と言われるようになりました。それまでは、元気で楽しい感じを全面に出してと言われていたのに、ガールズバンドとして急に「かっこよくいきたい」と。言っていることが真逆すぎて戸惑いましたし、素直に「それじゃつまらないな」と思ったんです。もっと大人だったら続けられたと思うんですけど、まだまだ子どもだったんでしょうね。自分たちの立ち位置を客観視できていなかったように思います。
── 思春期ならではの葛藤もあったとのことでしたね。 MIZUHOさん:私が脱退を申し出た前の年にTAKA(TAKAYOさん)が辞めているんですけど、そのときには彼女の気持ちがわからなくて。「なんでみんなで一緒に頑張っていけなんだろう」と思っていたんですが、その1年後に、自分が同じ年齢になって同じ気持ちになりました。TAKAとは辞めてから仲良くなって当時の気持ちを聞いたんです。 他のメンバーは続けたいという意志があったのに、私が辞めたいと言った結果、解散することになってしまって。解散は事務所の意向だったのですが、「みんなの未来を変えてしまった」という思いをどうすることもできなくて、メンバーには何回も謝りましたし、再会したときも改めて謝りました。みんなは「全然だよ」と言ってくれていましたけど、今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。