元ZONEのMIZUHO「実力派と言われてもそれって顔じゃないってこと?」デビュー後の葛藤と今だから語れる脱退の理由
私たちとしてはデビューできることだけで嬉しいですし、「はい、わかりました!」と即答して。私は兄がドラムをしていたのでドラムをすることになったのですが、他のメンバーも父親がギターをやっているとかで、それぞれ綺麗に楽器わけができました。誰ひとり、これまでその楽器を弾いたことがなかったんですが、身近に聞ける人がいるというだけで決まったんです(笑)。 でも、やらないという選択肢はありませんでした。今思えばすごい話ですよね。時が経ってもこうやって取材してもらえていますし、あのとき頑張ってよかったと思います。
── ZONEの大ヒット曲、『secret base~君がくれたもの~』は、毎年この時期になると聞く機会が多く、長年愛されている曲ですね。当時はお忙しい日々だったと思います。 MIZUHOさん:金土日の週末にまとめて仕事をさせてもらっていました。よくここまで上手くスケジュールを合わせてもらっていたなと思うんですけど、金曜の学校が終わってから飛行機に乗って東京に通っていました。『ミュージックステーション』に出演する日は早退していましたね。平日は授業をたまに休むことはありましたが、学校を優先してもらっていて。実は東京には一度も住んだことはなくて、デビュー後5年間、この生活を続けていました。
── 平日は学校、週末は仕事で休む暇がないですね。 MIZUHOさん:お休みの日はたしかに少なかったと思いますが、つらくて休みたいとは思いませんでした。忙しくしていましたが、好きなことをさせてもらって楽しかったという思い出ですね。 ── 学校ではどんなふうに過ごしていましたか。 MIZUHOさん:小学校のときに、ダンス演劇部というものを立ち上げて部長をしていました。よさこいに私が振りつけしたものを授業でやるとか、学校でもすごく活発な子だったと思います。
■今だから語れるZONE脱退の真意 ── 人気絶頂期に、脱退を表明されました。 MIZUHOさん:仕事自体はすごく好きだったのですが、ずっと続けていきたいという気持ちと思春期ならではの葛藤がありました。自分のやりたいことと、やらされていることのジレンマが大きくなって、このままでは続けられないと思ったのが正直な気持ちです。 自分たちの意見のように見せかけて、大概は大人たちがしたいことでした。10代特有の不安定な時期だったこともあって、何か違うなと感じていて。同世代の友達は、大学や専門学校に進学するか、就職して働くか進路を決める時期だったので、そのギャップも感じていましたし、違う世界も見てみたいと思うようになっていきました。