「つらいときは何もしなくてもいい」美容家・石井美保が提案する、日々の「美肌貯金」
気力があるときに美肌貯金。肌を信頼することが大切
疲れているとき、落ち込んでいるとき、どうしても何もしたくない、気力がわかない……。気持ちが落ちていると、美容は手につかないという場合もある。でも、ここで肌ケアを辞めてしまうと、今までの努力がムダになってしまうといった恐怖観念を抱くことも。ネガティブな感情に支配されているとき、石井さんはどのように気持ちを切り替えているのだろうか。 「疲れていてスキンケアするのが面倒だなともと思っても、ここで頑張らないとまた老けちゃうと思うから無理やり頑張る方多いですよね。でも、何かしたくないなって思う人はしなくていいです。大丈夫! しばらくさぼってまたちゃんと自分の肌を見つめ直して頑張ろうと思ったときに頑張ったら、肌はいつでも立ち上がれる力を持っているんです」 「イヤイヤしたところで肌だって答えてくれないし、もう嫌なら徹底的にやらなくても死なないので大丈夫です。私も本当に疲れていて何もやる気が起きない日は、何も塗らないで寝てしまうときもありますよ。普段、しっかりと美肌を積み上げているからこそ、このぐらいさぼったところで別に自分の肌は困らないってわかっているので大丈夫。肌への信頼ですよね。だから元気なときに美肌貯金をしておくことが大事。気力があるときには積み上げておけば、落ち込んだときに少しぐらいやらなくてもそんなにいきなりどん底にならないです」 意外と肌は強いから、つらいときにはムリをしなくていいという石井さんの言葉は心強く、勇気づけられる。 「だからこそ、日々のケアが大事かなって思います。人間、いつも同じようにフラットな状態ではいられないと思うんです。それに、気持ちだけではなく、忙しすぎて時間がなかったり、緊急の何かがあって何もできない3日間が突然くるかもしれない。そういうことも起きる場合もあると思うので、そのときのためにも日々の肌力を積み上げておけば大丈夫です」
紫外線以外も要注意。夏の老化を加速させるもの
これからますます暑くなり、日焼けや毛穴の開きなど、悩みが増える時期になる。日々の美肌貯金が大事だという石井さんに、美しく涼やかな肌を保つために、こすらない以外に夏に気をつけている美容法があるのかを聞いてみた。 「みなさん汗をかきますよね。最近私も聞いたのですが、化粧品会社さんたちの研究の結果、自分の汗が肌を老化させることがあるそうです。かいた汗が肌に滞り、毛穴に入り込んで酸化毛穴になる。それがシミやしわ、たるみの原因になってしまうと。でも、汗をかくのはしかたのないこと。その汗をそのまま放置することがよくないそうです。なので、汗をかいたと思ったら優しく拭く。帰宅したらすぐに洗顔する。 休日だと出かける予定がなければ洗顔せずに過ごしてしまい、そのまま日焼け止めを塗ってしまうこともありかもしれません。でも、夏に限らず朝は寝ている間に顔にたくさん汗をかいていて、その汗が毛穴に戻った状態なのだそう。酸化した汗が顔にくっついている状態で過ごすことは老化を加速させる。なので、汗をかきやすい時期ほど自然乾燥はさせず、まめに酸化した汗をこすらずに取り除くことが大事なのかなと思います」 汗をかいたら拭くというところまではできたとしても、帰ったらすぐ洗顔できず放置してしまうということもあるだろう。でも汗は美肌の敵であるばかりでなく、老化の原因にもなると石井さんは言う。こまめに汗対策をすることが重要そうだ。 さらに夏は、紫外線などエイジングサインにつながる要因がたくさんあるように感じまるが、うっかり日焼けしてしまい赤くなってしまったとき、石井さんはどのような対策をとっているのだろうか。 「私も赤くなってしまうことはありますよ。そういうときは、ヒリヒリと炎症していないとしても、シンプルステップで化粧水とクリームだけにします。鎮静効果のあるシカ成分など、抗炎症系のものがいいと思います。私は本書の中でも、摩擦レスのため化粧水をたっぷりとハンドプレスでつけることをおすすめしていますが、肌の炎症がおきているときは手で触れることさえも刺激になりうるので、コットンにたっぷりと化粧水を含ませてビタビタにして、肌に置いて3分だけ待ち剥がして終わり、といったコットンパックをすることもあります」