「スプリント・メソッド」は、集中力のない人ほどうまくいく生産性テクニック
やるべき仕事がたくさんあるのに集中力が長続きしないと、生産性が上がりません。 そんなときは、下手に抗わずに逆に集中力のなさを活用してみましょう。 たとえば、マラソンのように一度に長く取り組むのではなく、スプリント(短距離走)のように小分けにすればいいのです。 この「スプリント・メソッド」は、ポモドーロ・テクニックと同じように、短時間の集中的な作業を繰り返すことで、集中力や生産性を落とさずにタスクを完了できるようにするものです。 以下で、やり方をご説明します。
スプリント・メソッドとはなにか
ポモドーロ・テクニックとの違い スプリント・メソッドでは、集中的な作業を短時間だけ行ない、合間に休憩をはさんで繰り返します。たったそれだけのことですが、休憩をはさむことは、真に生産性を発揮するうえで不可欠なため、効果が上がります。 前述したようにスプリント・メソッドには、有名なポモドーロ・テクニックとの共通点がいくつかあります。 ただしポモドーロ・テクニックは、きっちり時間を決めて作業し、合間には、同じくきっちり時間を決めて休憩をとります。 それに対して、スプリント・メソッドはもう少し流動的です。 ポモドーロ・テクニックでは、タイマーを25分後に設定して作業を開始し、タイマーが鳴ったら5分休むというパターンを4回繰り返したら、長めの休憩をとります。 一方、スプリント・メソッドの場合は、集中が必要な時間(あるいは集中できる時間)の長さを事前に決めて、タイマーをセットします。 ポイントはゴール設定 時間が固定されているポモドーロ・テクニックではなく、スプリント・メソッドを使う場合、ポイントとなるのがゴールの設定です。 スプリント・メソッドでは、まずは長期的なゴールを設定します。たとえば、「今週末までに大きなプロジェクトを完了する」とゴールを設定したら、その達成に向けて、必要な長さと回数のスプリントを繰り返すのです。 個々のスプリントでは、小さいゴールを設定します。たとえば、大きなプロジェクトのひとつの工程を完了するというゴールを設定し、その達成に予想される時間を作業時間とします。 スプリント・メソッドでは、25分の作業時間というルールに縛られることなく、好きな長さに調整できるので、設定した小さなタスクが完了するまで、タイマーに邪魔されることがありません。 終われば休憩できるという前提は変わらずに、そのタスクが完了するまで集中して作業に取り組めるのです。 スプリント1回のタスク完了に必要な時間がわからないときは、いっそのことタイマーをセットせず、設定したタスクをやり終えるまではスプリントを続けることにしてもいいでしょう。 スプリント・メソッドのもっとも重要なポイントのひとつは、決まったタスクを完了する間、深く集中した状態を維持することです。 ですから、スマートフォンをオフにするなど、集中を妨げるものはすべて排除しましょう。あとは、10分だろうが30分だろうが、とにかくタスクを終えることに専念してください。