米大統領選はまさに「男性VS女性」、広がる男女間の支持率-女性支持伸ばすハリスと挽回へ奔走するトランプ
〈ヤング女性層の圧倒的支持〉 今回、女性支持率でハリス候補がトランプ候補を大きく引き離し始めた最大要因は、ヤング世代の動向だ。 米ハーバード大学政治大学院は、18~29歳の有権者を対象に去る9月4~16日にかけて実施した支持率調査結果を発表した。それによると、男性ではハリス候補53%に対しトランプ候補36%と、ハリス候補が17%差をつけている。しかしそれ以上に、注目されるのが同じ年齢層の女性の動向だ。 ハリス支持は70%にも達する一方、トランプ支持は23%と低迷、その差は47%と、男性間ギャップの2倍以上となっている。 最新国勢調査データによると、「Z世代」(18~28歳)の有権者は2年前の調査時以来、800万人増え、4100万人にも達している。しかもこれらのヤング世代、とくに女性層は、過去の大統領選挙での政治意識が低調と言われてきたものの、今回はハリス候補の登場で際立った関心を示しているとされるだけに、両候補の得票結果に与える影響は無視できない。 米議会でもすでに、共和党女性ベテラン議員として知られるスーザン・コリンズ(メイン州)、リサ・マコウスキー(アラスカ州)両上院議員は、今回大統領選での「トランプ不支持」の態度を公式に表明しており、上下両院の他の女性議員たちへの影響も注目されている。
固い男性支持を見せるトランプ
他方、ジェンダー・ギャップのもう一方の男性支持では、今のところ、トランプ候補がハリス候補に一定の差を保っている。 その最大要因は、男性有権者間での「女性候補」に対する根強い抵抗感だ。 20年大統領選での男性得票率を見ると、トランプ候補(49%)、バイデン候補(48%)と、ほぼ互角だった。しかし、16年選挙の男性得票率では、トランプ候補(53%)が女性のクリントン候補(41%)に大差をつけ、結局、この差が勝利につながった。 今回も、トランプ候補が多くのスキャンダルを抱えながらも、男性支持率でハリス候補を上回っているのは、共和党男性支持者層の間で、“女性アレルギー”が根強く存在していることを物語っている。 とは言え、かりに男性支持率でハリス候補相手に10数パーセント程度の差をつけたまま、11月5日の投票日を迎えたとしても、トランプ候補勝利が保証されるわけではない。なぜなら、ハリス候補がトランプ候補に女性支持率でそれをはるかに上回るリードを保ち続けているからに他ならない。 このため、女性支持率の大きなギャップをいかに埋めるかがトランプ陣営にとって、焦眉の急となってきた。