英雄パッキャオが井上尚弥vsカシメロ戦実現を強力プッシュ!
WBO世界バンタム級王座統一戦(30日・英国バーミンガム)で正規王者のゾラニ・テテ(31、南アフリカ)を3ラウンドにTKOで倒した同暫定王者のジョンリエル・カシメロ(30、フィリピン)が、WBA世界スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)との対戦を訴えた。カシメロは、3ラウンドに右のショートフックを続けざまに2発ぶちこんで、テテを完全にグロッキー状態にさせて最後はレフェリーが試合を止めた。 リング上でカシメロは「さあ来い!井上。モンスターよ。俺と戦おう!」と絶叫。井上との対戦をアピールした。 当初、ターゲットとする対戦相手の一人としてテテの名前を挙げていた井上も、この衝撃の結末にツイッターで反応。「カシメロと戦う事に興味が湧いてきた」と前向きにつぶやいた。 実は、カシメロがプロモート契約を結んでいるMPプロモーションは、その名前の通り6階級制覇王者のレジェンド、マニー(M)・パッキャオ(P)(フィリピン)の会社で、米国のボクシング専門メディア「ボクシング・シーン」が伝えるところによると、そのフィリピンの“英雄“パッキャオが、井上vsカシメロ戦の実現を強力プッシュしているという。 MPプロモーションのショーン・ギボンズ代表は、「チャンピオン(のカシメロ)は7つの異なる国で勝利を収めた。彼が勝利を収めていない唯一の国は日本だ。この戦いは上院議員(のパッキャオ)が望んでいるものであり、我々が望んでいるものだ」と断言。同メディアは「カシメロの陣営はすぐに計画に取り組むことになる。今回の試合は、カシメロが確かな(次の)稼ぎ場所(井上戦の意味)を手にした遠征試合となったようだ」と報じた。 親日家でもある”レジェンド”のパッキャオが、この試合の実現に動き出すとすれば、一気に話が具体的に進む可能性もある。井上が契約したトップランク社のトップ、ボブ・アラム氏とパッキャオは、ビジネスの枠を超えて親しい関係にある。 カシメロは、WBO、IBF世界ライトフライ級王座、IBF世界フライ級王座の2階級を獲得してきた超好戦的なボクサーで、フライ級では、4階級制覇王者の井岡一翔に判定勝ちしているアムナット・ルエンロン(タイ)にKO勝利している。だが、その一方で、粗さも目立ち、戦績は、29勝(20KO)4敗にとどまっている。 だが、L字ガードで突っ込んでくる超攻撃的なスタイルは、井上のボクシングと噛み合うのは間違いない。井上が求めているスリリングな対戦候補像とは重なる。