カンボジア政府は５日、首都プノンペン近郊と沿岸部を結ぶフナンテチョ運河の起工式を行った。同運河建設は、カンボジアにとって最大規模のインフラ整備事業となり、完成すればベトナムを経由せずにカンボジア沿岸部からプノンペンへの水運が可能になる。地元各紙の電子版が報じた。 　起工式は南部カンダル州キエンスバイ郡で開催。フン・マネット首相は演説で「フナン・テチョ運河は、水運の独立性と自律性を強化してカンボジアの経済的自立を促し、貿易を促進する」などと述べ、同運河建設の意義を強調した。 　同日は、フン・セン上院議長（前首相）の72歳の誕生日だった。フン・セン氏は首相在任時の2021年、フナンテチョ運河建設を提唱した。 　フナンテチョ運河は、メコン川のキエンスバイからトンレバサック川を経由してタケオ、カンポット、ケップの各州を通過し、タイ湾とつながる。全長180キロメートルで、幅は上流域が100メートル、下流域が80メートル。水深は5.4メートル、可航水深が4.7メートルで、上航、下航ともに２隻が航行できる。閘門（こうもん）は３カ所、橋は11本が設置される。総延長208キロの遊歩道も整備される。 　ＢＯＴ（建設・運営・譲渡）方式で建設される。総工費は17億米ドル（約2,480億円）に上り、工期は４年を見込む。沿岸の人口は160万人。