山を背にした住家の多い町で、自衛隊OBが教える身を守る知恵「危険個所知り、日頃から観察を」 非常時に役立つ技術も伝授 児童の意識向上へ力注ぐ防災授業 田代小
鹿児島県錦江町防災専門監の小瀧弘規さん(61)が、子どもたちの防災教育に力を入れている。田代小学校では4年前から年3回の防災授業を実施。25日は夏休みの宿題として作ってもらったハザードマップを活用し、危険箇所を知ることや備蓄の重要性を教えた。 【写真】防災授業に臨む小瀧弘規さん(左)=錦江町の田代小学校
小瀧さんは自衛隊OBで、2018年度から町防災専門監を務める。19年度の町政策提言コンテストで、田代小の児童が防災学習について取り上げたのをきっかけに、翌年度から同校で授業を始めた。ビニール袋を使った米炊き出しなどの技術を伝える。田代中学校でも防災授業をしている。 同日の授業では、5年生7人が自宅周辺の危険箇所や避難経路を記したハザードマップを発表。8月8日の日向灘を震源とする地震、台風10号を経験したこともあり、真剣な表情で学習した。「去年、裏山が崩れたので心配」「家の近くに空き家があり、壊れそう」と気になっている点を出し合った。 小瀧さんは事前に児童の自宅周辺に行って点検しており、危険箇所を伝えた。土砂災害警戒区域に自宅がある児童には注意を促した。 5年の尾長谷咲良さんは「台風10号は風が強くて怖かった。保存食を買ったり、避難方法を決めたりして備えたい」と語った。小瀧さんは「田代は山を背にした家が多い。危険箇所はないか、家の周りや通学路を観察してほしい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- 地域守る消防団にも働き方改革の波? 平日夜な夜な土日も訓練…操法大会に投じた一石が波紋「士気高める場」「実践に役立つか疑問」 動き出した次の一手
- 台風13号、奄美市などで住家損壊や浸水被害 辺野古沖埋め立てに携わる土砂運搬船も座礁
- 映える写真スポットで人気、県内最古の木造駅舎「嘉例川駅」に寄り添ってきた老木哀れ…樹齢100年超、台風に耐えられず幹回り2.5メートルぽきり 霧島市
- あれ? うちの固定電話が通じない…スマホ頼りの毎日、台風10号の被害に気付かず 最接近から10日以上、今なお問い合わせ続く NTT西日本
- あわや命の危機 台風で停電、室内で発電機を使った夫婦が倒れる 消防が注意、車内やテント内も危ない