通天閣のビリケンさん背中にヒビで『入院』社長「コロナ終息の願い事しすぎたかなぁ」
臨時休業中に気づき、この機会に「入院」
通天閣のビリケンさん背中にヒビで「入院」社長「経年劣化もあるけど、願い事しすぎたかなぁ」
大阪市浪速区の観光スポット「通天閣」は1日、いつも展望台で観光客を見守る幸運の神様「ビリケンさん」を持ち出し修理すると発表した。通天閣観光の高井隆光社長は「今は臨時休業中、この臨時だからこそ気づいたし、少し修理というか『入院』をします」と話している。また、低層階の大窓には「明けない夜はない! マスクの下は笑顔で!」というメッセージを掲げ、新世界の関係者からは「勇気づけられた」という声も聞かれた。 【写真特集】通天閣の大窓にメッセージ「明けない夜はない! マスクの下は笑顔で!」
地元の声を受け、4月8日まで営業を継続していたが...
通天閣観光にによると、このビリケンさんは3代目で、2012年から展望台に座っている。たが最近、経年劣化で背中部分ヒビが確認された。 高井隆光社長は「ここのところ、新型コロナウイルスの終息を毎日願いすぎて、ちょっと疲れさせたかな?」と心配な表情を浮かべた。 通天閣はここ10年以上入場者数が年間100万人を超える関西屈指の人気スポットで、大阪インバウンドのけん引役でもあったが、新型コロナウイルスの影響で入場者数は2月は昨年比30%減、3月には同60%減となった。臨時休業も考えたが、新世界で飲食店を経営する住民からの「営業してもらわな新世界が死んでしまう」という声に答え、営業を継続した。 また、土産コーナーの菓子を卸す取引先業者から「各地の観光スポットのお菓子が売れ残り困っている」という声を聞き、入場料がいらない地下入り口のステージのスペースを使って、その売れ残りの菓子を半額で販売するなど、取引先などの支援にも乗り出してきた。
緊急事態宣言で入場者一日30人の最低記録、無念の臨時休業
しかし、政府が4月7日に緊急事態宣言を出して以降、入場者数は激減。同8日には一日30人という最低入場者数を記録、新世界で営業している店も少なくなり、同9日から臨時休業した。高井社長は従業員に勤務がシフト制に変わることを告げる際、涙を流しながら説明していた。 そして臨時休業後、だれもいない展望台でビリケンさんを確認したところ、背中に少しヒビが入っていた。「どうしても木製なので水分が抜けたり、経年劣化で背中の部分にヒビが入っていました。僕も毎日、ウイルスが終息しますようにと願ってましたし、これまで8年間、来場者のみなさんの願いも聞いてたから、ちょっと疲れたかなと思うんで『入院』してもらいます」と高井社長。 この予定されていなかった「臨時休業」期間を利用して、ビリケンさんにもリフレッシュしてもらう運びとなり、1日午前、このビリケンさんを制作した仏像彫刻・仏像制作・仏像修復修理を行う松久宗琳佛所(京都市中京区)が運び出した。