【全文】BBC日本語版開設(上)「『革新する』が93年前から一貫した答え」
時代の変化は止まらず視聴者も変わる
イーガン:渡辺さんどうもありがとうございます、皆さま、こんにちは。今回、日本に来れたこと大変うれしく思います。去年、日本に来たときは、日本におけるBBCワールドニュースサイトの日本語版の20周年の記念イベントの際でした。その間に非常に大きく変わりました。この20年間にも、またこの1年間でもいろいろと変化がありました。ニュースは日々動き新しい切り口が見つかり、報道機関は遅れを取らないように走り続けております。皆さん方もそう思います、ニュースの世界は非常に大きくまた発展してるわけです。 また、BBCのような伝統的な報道機関はどういうふうにして対応してくるのか、それが大きな問題です。これは、答えは93年前から一貫して同じです。革新するっていうのが私たちの答えです。1922年にBBCはロンドン中心部の小さなラジオ局で最初の放送を開始しました。それ以来、BBCは技術的革新の最先端を走ってきました。ラジオ短波による世界放送に始まり、高解像映像のテレビチャンネルを行いますし、またヨーロッパ初のカラーテレビ放送も始まり、またTwitter上で最もシェアされてるニュースブランドになりますし、Facebookでも「いいね!」を5000万回押されるニュースブランドになりました。 私たちとっては絶えず新しいことは楽しい、そして新しいプラットフォームを開発して、それが私たちの成功になったわけです。私たちと同様、皆さん方のメディア企業は今起きてることを無視できません。今起きる、変化は止まりませんし、また視聴者も変わるわけです。私たちも絶えずその変化に対応し、革新しなければならないわけです。これは私たちが取り組んできたことです。私たちはこの1年間、どういうことに取り組んできたかこれからビデオを上映いたします。 (ビデオ上映 0:09:37~00:12:13)
「BBCで見るまで信じない」という信頼性
イーガン:ご覧のように多くの変化がありました。今日ではテクニカルなことができれば誰でも記者になれると、誰でもニュースを伝えることができると。目の前で起こったことをあっと言う間に世界中に伝えることができます、スマートフォンでもって伝えることができます。 そうするとジャーナリストっていうのは何の意味があるんでしょうか。じゃあこのままみんなもう、ジャーナリストをやめて帰ったほうがいいんでしょうか。 でも私はまだプロのニュース企業の存在価値はあると思います、ニュースを伝える手段が多様化する中で。これは私たちはこれからもますます多様な世界からニュース報道において、信頼に足りるリーダー的な存在としての地位を維持できる、独自の立場を築いていると考えています。 まず多くの視聴者に取りまして伝統的なニュース媒体にするってことが、今でも大勢います。何かを目撃ものが、そして多くの人たちがユーザーに届くものが最終的なものは、主要な報道機関です。最終的に事実確認をしっかりと検証し、背後の真相を伝える責任を担ってるわけです。最初にソーシャルメディアで見たニュースも、BBCで見るまで信じないっていうことをよく耳にします。 新しい技術によって誰もがいろいろな意見を表明できるようになりますし、プロバカンダと事実の境界が曖昧になってしまう中で、視聴者やユーザーが本当に中立・公正なニュースを得るための機会、背景をきちんと説明し、視聴者が各自それぞれ判断をできるように手助けするニュースっていうのが、非常に重要になってきます。そうすると私たちのような機関がデジタルの世界においてはこれまで以上に、あるいはそれ以上に大事なってくるわけです。 多くの視聴者やユーザーにとって、BBCの基準や判断に寄せる信頼はニュースを見聞きする以上に不可欠な要素になってきます。BBCは設立の時点から優れた報道に尽くしてきました。いかなる国家や政府からも独立し、また公正、そしてまた正確に伝えること、そして知的な分析や議論を行うことに努めてまいりました。また視聴者にエンターテイメントを提供することもやっておりました。