冠番組『ニノさん』がゴールデン進出で存在感 俳優・二宮和也がMCでも“引く手あまた”な理由
■YouTubeのノリが感じられる新たなMCスタイル そして二宮和也の現在における活動のなかで、このような仲間感覚が最もよく表れているのはYouTubeだろう。 「よにのちゃんねる」(旧「ジャにのちゃんねる」)は、2021年4月に開設。チャンネル登録者数460万人(2024年10月10日現在)に達する高い人気を誇る。 このチャンネルでは二宮をはじめ、中丸雄一(現在芸能活動謹慎中)、山田涼介、菊池風磨という先輩後輩の間柄の4(3)人が毎回さまざまな企画に取り組む。なにかテーマを決めてフリーにトークをすることもあれば、さまざまな場所やスポットに出かけたりすることもある。
とはいえYouTubeらしく、空気感としてはひたすらユルく、チャンネル独自の互いの呼び名(ちなみに二宮は「経理」)を決めるなど、テレビでもあまり見られないリラックスした姿ややり取りが楽しめる。 二宮はそもそもチャンネルを立ち上げた人間であり、一番先輩でもある。だが他のメンバーをぐいぐい引っ張っていくというよりは、誰よりもリラックスしている感じだ。 そのうえで自在にボケ役にもツッコミ役にもなる様は、『ニノさん』のときと変わらない。『ニノさん』のMCスタイルのベースには、ユーチューブのノリがあると言ってもおかしくないと思えるほどだ。
いずれにせよ、ここまでテレビでの姿とネットでの姿が変わらないタレントも珍しい。テレビとYouTubeは対立しているように語られがちだが、互いが融合していく道筋もあっていい。 むしろ、これからの時代はそこに豊かな可能性があるのではないか。その意味では、MCとしての二宮和也の台頭は、新たな時代のMCの始まりを物語っているのかもしれない。 【画像】二宮和也はMCとしても抜群の才能を見せている(5枚)
太田 省一 :社会学者、文筆家