冠番組『ニノさん』がゴールデン進出で存在感 俳優・二宮和也がMCでも“引く手あまた”な理由
そんな振る舞いは、一歩間違えれば反発を招きかねない。ただ二宮の場合は、とにかく屈託がなく嫌みがないのでそうはならない。演技のようでも自然体のようでもある、彼一流のバランス感覚のなせる業だろう。それは、俳優のときの二宮和也から受ける印象でもある。 ■誰でもいつのまにか「仲間」にしてしまう魅力 こう見ると、俳優かMCかという以前に、やはり二宮和也はアイドルなのだということを痛感する。嵐(現在活動休止中)のメンバーとして長年培ってきたものが、いまの二宮の土台になっている。
その培ってきたものとは、具体的には「仲間」という関係性を大切にするところだろう。どんな相手であっても、いつのまにか仲間にしてしまう。そんな流れのつくりかたという点で、二宮和也には他のMCにない一日の長がある。嵐というグループも、誰が突出するわけでもなく仲の良さが自然ににじみ出るという点で、アイドル史上一二を争うものがあった。 アイドルグループが出発点で現在MCとして活躍するという点は、中居正広も同じだ。SMAP時代の1990年代から『紅白』の司会を何度も務めるなどしてきた中居は、MCとしても二宮の大先輩にあたる。
同じ出自ということで、中居が切り拓いた道に従ってやってきた部分も当然あるだろう。MCのスタイルにおいても、絶妙のバランス感覚を感じさせるところなど共通点も少なくない。 ただ中居正広のMCには、やはりSMAP時代から培われたリーダー的なマインドがベースにあるのが感じられる。時に歌の話で自虐的に笑いをとったりするなどプレーヤー的な部分を残しながら、常にその場全体を俯瞰で見てすべての出演者にさりげなく配慮しているところが見受けられる。その繊細な仕事ぶりが、現在の地位を築いてきた大きな要因のひとつだろう。
あくまで持ち味の違いということにはなるが、二宮和也のMCの場合は、どんな相手であっても「仲間」というヨコの関係がより重視される傾向があるように見える。それによって、あまり見られないゲストの素の部分が出やすくなるメリットも生まれている。 たとえば、『ニノさんとあそぼ』などを見ていると、そのことがよくわかる。この番組には渡辺謙もゲスト出演したことがあるが、渡辺のような大御所俳優とも、共演した経験を踏まえつつ、肩肘張らない仲間的な関係性をつくれるのは二宮和也くらいだろう。