アウディ、御年61歳サインツSr.のダカール制覇を称賛「年齢を考えると信じられないこと」
アウディのカルロス・サインツSr.は、ダカールラリー2024で優勝。プロドライブ勢のセバスチャン・ローブの猛追を振り切り、オーバードライブ・トヨタのギヨーム・ド・メビウスに1時間20分の大差をつけて総合優勝を果たした。 【動画】Dakar 2024: Stage 12 ハイライト これについてアウディは、61歳というサインツSr.の「年齢を考えると信じられないこと」だと称賛した。 サインツSr.は、これまでフォルクスワーゲン、プジョー、ミニでダカールを制しており、今回で4度目の総合優勝。ステファン・ペテランセル、ナッサー・アル-アティヤに次ぐ3番目に多い優勝回数を誇っている。 そして今回のサインツSr.のダカール制覇で特筆すべきはその年齢。2020年に58歳で優勝した自身の記録を更新し、新たに最高齢となる61歳での総合優勝を果たしたのだ。 アウディがダカールプロジェクトでパートナーを結ぶQモータースポーツでマネージャーを務めるスヴェン・クワントは、年齢を感じさせず、世界で最も過酷なモータースポーツイベントのひとつを制したサインツSr.を称賛した。 「ビバークに到着した時、彼はとてもポジティブで、それがチーム全体に伝播していた。もちろん、彼は歳を取っているが、まだこのスポーツの頂点にいる」 クワントはそう語った。 「年齢を考えると、この男は信じられないくらいだ。彼もまだイケると感じているなら、ダカールでの勝利はまだまだ続くかもしれない」 「我々は長い付き合いだが、お互いの信頼関係もこの成功のカギのひとつだ」 2023年のダカールでサインツSr.は、クラッシュにより椎骨を2ヵ所骨折。今年はそこから立ち直って臨んだラリーだった。 アウディ勢はダカール序盤でステファン・ペテランセルが順位を下げ、マティアス・エクストロームもステージ8でトラブルに見舞われ優勝戦線から脱落した。しかし、残されたサインツSr.はステージ優勝こそなかったものの、ペテランセルとエクストロームからのサポートを受けつつスムーズに走り、ステージ6以降は総合首位を常にキープ。最終ステージ12も盤石に走り抜けて総合優勝を果たした。 アウディは2026年のF1参戦に向けた準備を進めるべく、RS Q e-tronで3シーズンに渡って臨んだダカールプロジェクトに一度終止符を打つと見られている。今回の勝利はダカールを去るアウディに向けた、サインツSr.からの餞別とも言える。 勝利の意味を尋ねられたサインツSr.は、次のように答えた。 「非常に競争の激しいレースで、非常に特別なクルマで、4つ目のブランドでの勝利だ」 「このようなクルマで歴史に名を刻むことは、僕にとって大きな意味があるし、アウディにとっても喜ばしいことだ。最後の戦いで優勝できたから、とても嬉しい。彼らの信頼に感謝しなければならない」 サインツSr.は2006年以降、毎年ダカールに参戦しており、ヨーロッパ/アフリカ、南米、サウジアラビアの3つの時代を通じて、今年で17回目の参加となった。 2024年のダカールは特別なモノだったかと問われたサインツSr.は、次のように答えた。 「リザルトの通り、とてつもなくハードだった。マシンが特別だからね」 「椎骨を2ヵ所骨折する怪我からのスタートは非常に困難だったが立ち直り、ここで優勝できたから満足だ。アウディが成し遂げた新たな歴史の一部になれたことをとても嬉しく思うし、みんなに感謝している」
Rachit Thukral, Mario Galán