リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、12月17日にリリース
XRPレジャー(XRP Ledger)と密接に関連するエンタープライズ特化型ブロックチェーンサービスを提供するリップル社は、規制当局からの承認を受けて、12月17日から待望の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」をユーザーが利用できるようにすると発表した。 RLUSDはまず、Uphold、MoonPay、Archax、CoinMENAを含むいくつかの取引所や暗号資産(仮想通貨)プラットフォームに上場され、その後数週間でBitso、Bullish、Bitstamp、Mercado Bitcoin and Independent Reserve、Zero Hashなどにさらに上場されると同社はプレスリリースで述べた。 同社はまた、ステーブルコイン諮問委員会に2名の新メンバーを迎えることも発表した。ラグラム・ラジャン(Raghuram Rajan)元インド準備銀行総裁と、ケネス・モンゴメリー(Kenneth Montgomery)元ボストン連邦準備銀行第一副総裁兼COOである。 この2人は、10月に発表されたシーラ・ベアー(Sheila Bair)元FDIC(連邦預金保険公社)総裁、クリス・ラーセン(Chris Larsen)リップル社共同創業者兼エグゼクティブ・チェアマンらの委員会メンバーに加わる。 リップル社のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOは先週、RLUSDがニューヨーク金融サービス局(NYDFS)から「最終承認」を得て、発表テスト段階から一般向けにステーブルコインを展開する道が開かれたと発表した。RLUSDは米ドル預金、米国債、現金等価物に完全に裏付けられ、1ドルで安定した価格を維持することを目指している。 RLUSDによってリップル社は、テザー(Tether)社が手がける時価総額1400億ドルのUSDTと、サークル(Circle)社が手がける時価総額400億ドルのUSDコイン(USDC)が現在独占している急成長中のステーブルコイン市場で、その一角を争うことを目指している。 ステーブルコインは、デジタル資産市場と伝統的金融の橋渡しをする重要なインフラであり、取引の流動性、ブロックチェーンベースの取引の手段、そして国境を越えた決済手段としての役割をますます果たすようになってきている。 ペイパル(PayPal)、ビザ(Visa)、ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)などの銀行や決済会社といった伝統的金融機関も、世界中の規制当局がステーブルコインに関する規則やガイドラインを整備し、待望の規制の明確化をもたらす中、ステーブルコインに参入している。 リップル社のガーリングハウスCEOは声明の中で、「リップル社は早い段階から、世界的に最高の規制基準と広くみなされているNYDFSの限定目的信託会社憲章のもとで、ステーブルコインを立ち上げるという意図的な選択をした」と述べ、次のように続けた。 「米国がより明確な規制の整備に向けて動き出す中、RLUSDのような真の実用性を提供し、業界における長年の信頼と専門知識に裏打ちされたステーブルコインの普及が拡大することを期待している」 リップル社のステーブルコイン担当シニアバイスプレジデントであるジャック・マクドナルド(Jack McDonald)氏は、CoinDeskとのインタビューで、RLUSDは当初、流通パートナーや取引所パートナーを通じて、アメリカ大陸、アジア太平洋地域、英国、中東地域で利用可能になる予定であると述べた。 マクドナルド氏は今年リップル社が買収し、ニューヨーク信託ライセンスを保有しているStandard Custody & Trust社の元CEOである。 リップル社はEUのMiCA規制で必要なライセンスを保有していないため、RLUSDは当面はEUではアクセスできないが、同社はEU市場に参入する方法を「積極的に模索している」とマクドナルド氏は付け加えた。