<新人王レースの行方>2年目以降の新鋭も多数 決め手は“V貢献度”?【セ・リーグ編】
受賞チャンスは生涯で一度きり。シーズンで最も活躍した新人選手に贈られる“新人王”の行方も気になるところだ。ただ、同賞の有資格は新人に限らない。育成上がりの面々や入団2年目以降の新鋭も新人王レースをにぎわせている。さあ、今季の勲章は誰の手に!? ※成績は9月12日時点、年齢は今季の満年齢 【選手データ】田中幹也 プロフィール・通算成績・試合速報
一方のセ・リーグは野手も有力候補に挙がる。真っ先に名が浮かぶのがDeNA・度会隆輝だろう。オープン戦で首位打者、開幕戦で12球団一番乗りの本塁打、セ・リーグ初の開幕から2戦連発の本塁打と華々しいデビューを飾り、球宴に出場するなど与えたインパクトは大きい。ただ、5月に二軍降格、6月に一軍再昇格して打棒が復活したが、8月に再び登録抹消と、成績面では、苦闘ぶりがにじむのも事実だ。 “通年の貢献度”を考えれば、2年目の中日・田中幹也が上回る。広い守備範囲を誇り、捕球から送球の流れも速く、『令和の忍者』『タナ神キヤ』と言われ、新人年の昨季は二塁の開幕スタメンが濃厚も、オープン戦で右肩を脱臼して手術となってリハビリの1年に。2年目の今年はその悔しさをグラウンドにぶつけて躍動。ベンチスタートでも守備だけでワクワクさせてくれるのは間違いない。新人王争いだけでなく、二塁のゴールデン・グラブ賞も射程圏内だ。 2年目以降の選手ではDeNA・徳山壮磨が奮闘。大卒3年目で本領を発揮し、7月上旬までに29試合登板を果たした。だが、疲れも見えていた7月16日に登録抹消。その後、腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けてリハビリに励んでいる。
昨季36試合に登板したもののイニング数はジャスト30と、ギリギリで新人王の資格を有する2年目の巨人・船迫大雅もブルペンでフル稼働し存在感を示す。変則のサイド右腕は火消しにセットアッパーにポジションを問わず、ピンチを背負っても動じない強心臓を武器に、「どんなときも相手に流れを渡さないように、ゼロに抑えるだけ」と淡々と投げ続ける姿はまさに仕事人。2年目とは思えぬふてぶてしさすら感じさせている。