混乱、飛び交う情報、驚き…スコッティ・シェフラー“狂想曲”の一部始終
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(17日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71) 【画像】一時拘束から「66」 シェフラー会見の様子 その“ブレーキングニュース”が耳に入ったのは、試合会場に向かうシャトルバスの中だった。スコッティ・シェフラーに振り回された一日を改めて振り返りたい。
「シェフラー逮捕」の第一報に混乱
通常はホテルから30分前後でバルハラGCに着くが、道が混雑しており一向にたどり着かない。むしろ、コースに近づくにつれてバスは全く動かなくなった。そこに大会側から「重大な事故によりスタートが遅れる」というメールが届く。渋滞の先で赤く光るパトカーのライトが見える状況で、同乗する他のメディアたちから「スコッティ・シェフラーが逮捕されたぞ」という声があちこちから聞こえてきた。シェフラーが逮捕? え、あのシェフラー? なんで? 横にいた記者を問い詰めると、ホラッといって携帯の映像を見せくれた。なんと、シェフラーが手錠をかけられてパトカーに乗せられているではないか。寝起きでバスに飛び乗ったので頭がボーっとしていたが、バケツで水をぶっかけられたぐらい一気に目が覚めた。慌てて日本のデスクに電話をし、「シェフラー逮捕」の速報に備える。その後も携帯で情報を探りつつ、ようやく動き出したバスに揺られてコースに向かった。
次々と飛び交う情報
結局コースに着いたのは、ホテルを出てから1時間後。メディアセンターでは「拘束後すぐに保釈された」とか、「もうコースに来て球を打っている」など、情報が飛び交っていた。「シェフラーはいったいどうなっているんだ。今日はプレーできるのか」と全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)のスタッフに尋ねても、誰も情報を持っていない。ジリジリと時間だけが過ぎていった。
すると、メディアセンターの大型モニターに『シェフラー拘束→逮捕→保釈』、そして『コースに向かっている』という一報が映し出された。無謀な運転、警察官への暴行などの罪状が出て、逮捕後に保釈されたとテレビのコメンテーターが伝える。いろいろと疑問を抱いたが、いずれにしてもプレーできる方向に進んでいそう。逮捕されたあとに試合に出るなんて…まさに前代未聞だ。