海保の無人偵察機に「吊り下げる謎のハコ」公開 武器?燃料タンク? 市民生活に直結する「意外な使いかた」とは
1機で主要キャリア全対応!?
海上保安庁が運用するシーガーディアンなどのMQ-9Bシリーズの主翼下には、ポッドなどの吊り下げに使用する「パイロン」を装着することができます。 これらパイロンの一つにソフトバンクとY!モバイル、一つにNTTドコモ、一つにau、一つに楽天モバイル用の無線中継器材を収容したポッドをそれぞれ吊り下げることで、GA-ASIは日本の主要な携帯電話会社の臨時基地局とする構想のようです。 シーガーディアンの最大連続飛行可能時間はHALEに比べて短い約35時間で、1機や2機のMQ-9Bが臨時携帯基地局の役割を果たすのはやや荷が重い感もあります。とはいえ、海上保安庁は2025年度に2機のシーガーディアンを追加導入して、5機体制とする方針を示していますし、さらなる追加導入の可能性もあるのではないかと筆者は思います。 また、海上自衛隊は2023年5月から、海上保安庁のシーガーディアンを借用する形で試験を行っており、このことから海上自衛隊が導入する「滞空型無人機(UAV)」としての採用も有力視されています。 MQ-9B用臨時基地局ポッドの試験がこの先どう進むのか、試験結果が良好な場合、本当に政府が導入するのかなどは未知数ですが、大規模災害に苦しめられている日本にとって、一つの選択肢になりそうです。
竹内 修(軍事ジャーナリスト)