ブレーキ大手のブレンボ、オーリンズを買収 車両統合制御技術などの開発へ
ブレーキ大手の伊ブレンボは、スウェーデンのサスペンションメーカー、オーリンズレーシングを4億500万㌦(約605億円)で買収すると15日までに発表した。車両の統合制御技術などの開発に取り組む。 両社は自動車メーカーの純正部品や補修部品を手掛けるほか、ロードレース世界選手権「モトGP」などモータースポーツに力を入れている点でも共通点があり、ともに自動車業界では世界的な知名度とブランド力を持つ。 ブレンボは近年、M&A(企業の買収・合併)にも積極的で、今年2月にはタイに2輪車用ブレーキシステムの工場を新設すると発表するなど、事業拡大に取り組んでいる。人工知能(AI)を活用したブレーキ・バイ・ワイヤシステムなどの次世代技術の開発も進めている。 一方のオーリンズは1976年に設立され、スウェーデンとタイに工場と研究開発拠点を持つ。24年の通期売上高は1億4400万㌦(約215億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は21~22%を見込んでいる。現在は内燃機関部品メーカーの米テネコ傘下にある。テネコも昨年、米の資産運用会社アポロ・グローバル・マネジメントが運営する投資ファンドに買収されている。 ブレンボはテネコと、オーリンズ株を100%取得する契約を結んだ。関係当局の承認を得て2025年の買収完了を予定している。 帝国データバンクによると、日本法人のブレンボ・ジャパンの22年の売上高は8億1千万円、純利益は8545万円。今年、アレクサンダー・グラマティコフCEO(最高経営責任者)が就任している。オーリンズの製品は国内ではカロッツェリアジャパン(大庭広記代表、さいたま市南区)が輸入販売を手掛けている。