家族を失い、仕事もなくなった 震災から止まった時を動かした訪問者 #知り続ける
いつも通りの会話の先にある別れ
2月8日。足立さんが自宅にやってきた。 「最近、アルコールはどう?」 「変わらないよ」 「体はどんどん衰えてくるんだからほどほどにね」 いつもと変わらない会話。 これが最後の訪問だと告げられた。 足立さんは今春、福島で結婚した夫や子どもとともに、地元の島根県に帰る。 「大きい出会いだった。足立さんに恥じないように生きるって思ってきたんだよ」。しんみりと振り返った。 最近は、なごみスタッフからイベント企画の相談を受け、地域でも自分の役目を果たそうとしている。 「なごみのホームページに登場するのを楽しみにしてるからね」 そう言われ、お互い笑顔になった。 (この記事は朝日新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です)
酒本友紀子