選手を酷評した岡田監督の辛辣すぎる〝辞世の句〟 藤川新監督と球団はその真意を読み取れ 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
勝ち星は優勝した昨季の85勝から74勝に。チーム防御率こそ2・66から2・50と向上させましたが、チーム総得点は555点→485点と70点減り、チーム本塁打も84本から67本に。四球数も494個から441個に。盗塁数も79個から41個に減りました。
個人でも4番・大山は打率2割8分8厘、19本塁打、78打点から、打率2割5分9厘、14本塁打、68打点に。1番・近本は2割8分5厘、83得点、28盗塁から打率2割8分5厘、71得点、19盗塁。佐藤輝も24本塁打、92打点から16本塁打、70打点となりました。個人成績はシーズンのチームの勢いにも影響される面はあるでしょうが、攻撃力は明らかに退潮気配です。さらに先発陣では青柳、伊藤将や村上は期待外れでしたね。
■深刻な危機感の裏返し
岡田監督は厳しい言葉を羅列しましたが、それは現状のチームに対する深刻な危機感の裏返しとみていいでしょう。昨季にリーグ優勝、日本一になったばかりです。今季も9月以降は15勝8敗で最後の最後まで、4年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人を追い詰めました。そう簡単にチームは瓦解(がかい)しない…とタカをくくっているととんでもないことになる。名将はそう感じたからこそ、あえて最後まで苦言を吐き続けたのでしょうね。
「野放しにしたら全然やもんな。大変やで。怒る人間がゼロやったら…」という言葉には考えさせられます。自分が退いた後、選手たちを厳しい視線で管理し、的確な采配で戦力として生かすことのできるリーダーが現れなければ、『阪神は大変なことになる』と遠まわし?に言っているのでしょうね。
阪神は14日、今季限りで退任した岡田監督の後任として、藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント(SA)が次期監督に就任すると発表しました。岡田監督が最後に残した言葉を受け継ぎ、退潮気配のチームを再び盛り上げることができるのか。今回の監督交代を決断した阪神球団首脳とともに、腰を据えた戦力整備、チームづくりが求められます。