日本ハム・田宮裕涼 断トツの当選に見合う大躍進/夢の舞台に向かって
トップ当選は、ほぼ確実だ。田宮裕涼がオールスターゲームのファン投票で、パ・リーグ捕手部門を独走。もちろん選出されれば初めて。最初の中間発表となった5月21日時点は2万4435票。このときに2位だったオリックスの森友哉の票数の約3倍だった。「そうなんですか。断トツですか……そうなんですね」。本人は冷静に受け止めていた。 【選手データ】田宮裕涼 プロフィール・通算成績・試合速報 その票数に見合う結果も残している。以下に記す数字はすべて交流戦終了時のもの。いずれも高レベルだ。 打撃では開幕から首位打者争いを繰り広げてきた。シーズン当初は規定打席数に足りないこともあったが、DHでの起用も増加。打率3割超えをキープしているのは、リーグではソフトバンクの近藤健介と田宮だけだ。得点圏打率は両リーグただ1人の4割超え。勝負強いからこそ、ファンの印象にも深く残る。 守備でもインパクトを残している。盗塁阻止率は交流戦まででリーグトップの.429。その強肩に日本ハムファンの間では「ゆあビーム」という異名が付いたのが数年前だったが、今では全国へ一気に浸透。リード面でもマスクをかぶった試合の0封勝利は9試合。昨季はチームで15試合だった。もちろん投手陣のレベルアップも要因だが、田宮の奮闘も忘れてはいけない。 5月21日に「これから落ちていくかもしれないので、気を抜かず頑張っていきたいです」と話していたが、落ちるどころか群を抜いた。「誰もたぶん予想してないと思う」という大躍進の1年を象徴する夢の舞台で「ゆあスマイル」を咲かせる。 写真=BBM
週刊ベースボール