シャオミSU7 Ultra プロトがニュルで4ドアEV最速記録を達成。ポルシェ タイカンからタイトル奪取
ニュルブルクリンクでのタイムアタックに的を絞った特別な1台
2024年10月29日、中国Xiaomi(シャオミ)は同社が今年6月に発売したSU7の高性能バージョン「SU7 Ultra」の発表会を開催、併せてタイムアタック専用車の「SU7 Ultra“プロトタイプ”」が前日の28日に独ニュルブルクリンクサーキット ノルドシュライフェで、EVセダン最速となる6分46秒874のラップタイムを記録したと発表した。なお量産モデルの「SU7 Ultra」は10月29日より予約受注を開始、2025年3月から順次納車を開始するという。 【写真】「シャオミ SU7 Ultra プロトタイプ」と市販型をもっと見る スマホや家電の中国メーカー、シャオミが初めてのEVを発売したのは今年3月のこと。自動車事業への参入計画発表からわずか3年で発売にこぎ着けた「SU7」は大変な話題となり、瞬く間にヒットモデルの仲間入りを果たした。現在はまだ国内での販売に留まるが、生産が追いつかず大量のバックオーダーを抱えている状態だ。 さらに7月14日に開催されたシャオミの年次総会において、レイ・ジュン(Lei Jun)CEOが電撃発表したのが、SU7を進化させたハイパースポーツである。「SU7 Ultra “プロトタイプ”」と名付けられたこの超高性能版は、ニュルブルクリンクでのタイムアタックに的を絞った特別なクルマだ。さらに2025年には、このプロトタイプをべースに公道も走れる仕様に改めた“究極のパフォーマンスバージョン”の市販を予定していることも明かにした。 年次総会で公表された「SU7 Ultra プロトタイプ」の仕様は以下のとおり。 まずは動力性能である。前輪に1基、後輪に2基のモーターを備えたいわゆるトライモーター仕様のAWDだ。前輪には「V6s」と呼ばれる392psのモーター、後輪左右にはそれぞれ578psを発生する新開発の「V8s」を搭載しており、その総出力は驚愕の1548psに達する。駆動用のバッテリーは高性能で知られるCATL麒麟(Qilin)で、その最大放電電力は1330kWという途方もないものだ。 タイムアタックに的を絞った結果、ボディ外板は巨大なリアウイングを含めほぼ専用のカーボンパネルに改められている。車両重量は1900kg(ベースモデルのAWDモデル「Max」は2205kg)に抑えられ、高度なエアロダイナミクスを採用することで総計2145kgにもおよぶダウンフォースを獲得していると発表された。 強大なモーターパワーと軽量化されたボディ、そして車両重量を上回るダウンフォースを得て、Ultraプロトタイプの0→100km/h加速は1.97秒、0→200km/h加速は5.96秒、0→300km/h加速は15.07秒、そして最高速は350km/hという高性能を実現した。 このワンオフモデルによりニュルブルクリンクのタイムアタックで「我々は世界一速い4ドアセダンを自ら実証するつもりだ(レイ・ジュンCEO)」と高らかに宣言された。