オラクル株、上場来高値を更新-AIでクラウド事業に弾み
(ブルームバーグ): 米オラクルが11日発表した3-5月(第4四半期)決算では受注増が予想を上回り、クラウドコンピューティングの分野で市場シェア拡大を目指す同社の取り組みが引き続き勢いを増していることが示唆された。株価は12日のニューヨーク市場で上場来高値を更新した。
これとは別に、オラクルはクラウド分野でオープンAIやマイクロソフト、アルファベット傘下グーグルと提携する合意も発表した。ニューヨーク時間12日午前の米株式市場で、オラクルは一時13%上昇し139.90ドル。年初からは30%余り上昇している。
発表資料によると、受注残の指標である残存履行義務は44%増の980億ドル(約15兆4000億円)。アナリストの平均予想は739億ドルだった。
同社はアマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、グーグルに対抗すべく、クラウドインフラ事業の拡大に注力している。同部門は売上高全体に占める割合は小さいものの、オラクルの将来の成長分野として投資家は注目している。
サフラ・カッツ最高経営責任者(CEO)は発表資料で、過去2四半期に「オラクル・クラウドで人工知能(AI)大規模言語モデル学習向けの膨大な需要に支えられ、当社として過去最大規模の販売契約に署名した」と指摘した。
また、「AI関連の作業量に対する旺盛な需要に後押しされ、2025年5月期には売上高が2桁の伸びを示すだろう」と表明。クラウド部門の「能力が需要に追いつき始める」ことで、この年度を通して成長が加速するとの見方を示した。
オラクルは同社のデータベースをグーグルのクラウドインフラで利用できるようにする新たな契約も発表した。
また、マイクロソフトから多額の資金提供を受けているオープンAIは、オラクルのクラウドインフラを「追加能力」向けに利用する。両社が別の発表文で明らかにした。
カッツCEOは決算発表後の電話会見で、クラウドインフラ部門は今年度に50%強の成長を遂げると述べた。