度重なる骨折ダメージに苦しむ33歳レーサーがファンの声援で奮起「やまない雨はない、と信じて這い上がる」/熊本競輪G3
熊本競輪「開設74周年記念・火の国杯争奪戦(G3)」は5日、3日目を迎えた。1Rの一般戦を走り終えた中西大(33歳・和歌山=107期)に話を聞いた。 7車立て3分戦。初手後方の中西大が赤板過ぎに上昇し、前受けの神田龍は下げると中西が先行態勢へ。神田がバックから捲るも、中西マークの藤井昭吾が神田を牽制して1着。直線伸びた佐々木則幸2着で中西は3着に逃げ残った。 中西は「脚を使わず出られて、(神田龍を)見ながら見ながらでペースに持ち込んで駆けたのに。ワンツー決まるかなと思ったら、カカリも良くないし何とか3着…。昨日(2日目)だって簡単に捲られた」と肩を落とす。 「トンネルが長すぎる」とポツリ。 中西は昨年6月に落車で「右」鎖骨を骨折。その5か月後の11月、復帰4場所目で再び落車をして今度は「左」鎖骨を骨折。度重なる鎖骨骨折でのダメージから、なかなか復調の兆しが見えず苦しんでいる。 「もう一年経つし、長すぎる。自転車も少し変えたりはしたけど、そこまで変えてない。体ですよね。バランスが崩れて良いときに比べたら全然。家族にも支えてもらっているし、頑張りたい。“やまない雨はない”と信じて」と前を向く。 久留米出身の中西はファンにも感謝した。 「熊本のファンは声援がすごい。昨日もあんなレースだったのに『良かったぞ~、また次も頑張れよ~』って。力になりますね。歯がゆい時期だけど、がまんの時期。また先行で這い上がって戦えるように頑張ります」 もともと徹底先行で売っているパワフルな先行型。近畿地区にとっても、中西の存在は大きく完全復活が待たれる。(アオケイ・八角記者)