【陸上100mハードル田中佑美選手】試合の日はまつ毛を上げて気合いを注入
働く大人の女性向けメディア「BAILA」と、スポーツメディア「Sportiva(スポルティーバ)」とのコラボレーションで生まれたスペシャル企画! 注目のアスリートにクローズアップ、BAILAでおなじみのヘア&メイクアップアーティストとのセッションで変身。競技中に見せる”戦う顔”とはちがう、パーソナルな輝きをお届けします。今回登場するのは、陸上100mハードルの田中佑美選手。 【写真】笑顔が素敵な田中佑美選手
田中佑美は2023年春、日本女性4人目の12秒台をマークし、2023年10月のアジア大会では銅メダルを獲得した25歳。いま、日本陸上界で最も注目をあつめる選手のひとりです。 そんな彼女のパーソナルな輝き、おしゃれやキレイを楽しむ素顔に迫りました! ●田中佑美(たなか・ゆみ) 1998年12月15日生まれ。大阪府出身。立命館大学卒業後、富士通所属。幼少期にバレエで培った体の柔らかさを生かし、中学時代に100mハードルを始める。昨年の春に日本女性4人目の12秒台ハードラーとなり、女子ハードル界のニュースターと言われる注目の選手。
田中佑美選手インタビュー「大切な大会では、盛れますようにって思いながらメイクする」
■自分に似合うお化粧の色が知りたくて、パーソナルカラー診断を受けたことも 「スポーツ系の学生というとジャージにすっぴん、というイメージを持たれる方も多いかもしれないんですが、私が通っていた立命館大学の陸上部はジャージで授業を受けてはいけないルール。それもあって私服で登校していたので、学生の頃からお化粧をする習慣はありました。学部の友達には『佑美、化粧薄いって~!』ってよく言われていたんですけどね(笑)。 普段はアイシャドウもリップもオレンジ系を塗るのが好きなんですが、1~2年前に自分にはどんな色が似合うのかパーソナルカラー診断を受けに行ったことがあって。その時に『黄色ければ黄色いほど似合う』って言われたので、もともと好きな色でもあったし余計にオレンジ系に傾いています。 ただ、朝にメイクをしても帰宅するときには何もなくなっちゃうんですよ。二重幅に溜まってしまうとかそういう次元じゃなくて、色を肌が吸収しているのか、消えちゃって。それが長年の悩みですね(笑)」 ■試合の日は、まつ毛をギャンギャンに上げて気合いを注入! 「練習も含め、どうしても長時間屋外にいることが多いので、日焼けケアはしっかり行うようにしています。ベースメイクでもある程度防げると知って、きちんとファンデーションを塗るようになったのですが、崩れにくいものを選ぶことがほとんど。最近は、Instagramで検索して購入した、パウダー不要の1本で完成するリキッドタイプを愛用中です。 試合の日もフルメイクをしているのですが、気合いが入るのでまつ毛をギャンギャンに上げて挑みます。すごく凝ったメイクをするわけでもないし上手でもないですが、メイクをする時間が好きなんです。それこそ、試合の日には『盛れますように!』って思いながらお化粧をするのが楽しくて。色はなぜか飛んでいっちゃうけどまつ毛は残ってくれるので(笑)、私の盛れるポイントかもしれません」 ■競技のために飲み始めたピルで、肌状態も改善 「スキンケアは基本的なことと日焼け止めを塗る程度なんですが、競技日程とかぶらないように生理をずらすためにピルを飲み始めてから、肌質までよくなったんです。容量の異なるタイプを何種類か試して、最近やっと自分にあうものに出合えた気がするので様子を見ています。 その他のインナーケアに関して、私たちにはドーピングという概念があるので、意図せずに何らかの成分が体内に入ってしまう可能性のあるサプリや、育毛効果のあるケアアイテムといったものもすべて避けています。成分を調べるアプリがあるんですが、本当にうっかりだとしてもそれを証明する手立てがなかなかないので。 健康管理という面ではなるべく自炊をして3食しっかり食べることを意識しています。野菜も緑の濃いもの、たとえばブロッコリーやホウレンソウなどを多めにとり、脂っこいものは控えめに。食の好み的にも揚げものはまず食べないですし、鶏の皮や豚肉も過剰な脂は落として調理するようにしています。とはいえストイックになりすぎるのもよくないので、冬の時期はしんどい練習を終えたときにコンビニのシュークリームをご褒美として買うときもありますよ。やっぱりメンタルのストレスは、フィジカルに影響するものだと思うので」 ■アスリートの見た目に関しては、バランスが大事なのかも 「アスリートに対して『お洒落やお化粧よりも練習を』という世間の声はあると思いますが、今までを振り返ると、近い人の視線のほうが気になるかもしれません。 たとえば、高校生でサングラスをかけて練習する人はほぼいないんですが、大学生以降になると結構かけて走るんですね。そうすると、強豪校の先生から『あいつ調子にのったな』って言われたりするんですよ。今、どこまでそういう風潮が薄まっているか分からないんですが、実際に最近サングラスを替えたときも、スポーツっぽいものにするかちょっと違った形の可愛いものにするか悩んで、結局どう見られているか悩むほうが嫌だと思ってスポーツサングラスにしました。 見た目をよくしたいだけなのに、逆に内面までマイナスに捉えられてしまっては意味がないですしね。ただ、自分のことをよりよくしようと思っていることがきっかけで今回のような企画に声をかけていただけたり、世間からの評価をいただけたり、そういう部分もあると思うので、見た目のことを一切排除するのではなく、バランスが大事なのかもしれないですよね」 ■ユニフォーム姿を、一つのファッションの可能性として伝えていけたら 「陸上は、着用するユニフォームの肌の露出が多く盗撮が問題視されています。会社も協力してくれて私も変更したりはしているんですが、形状的に限界もあって。 練習のときにロングタイツをはくんですが、海外ではそのまま街中を歩く人もいるようなウェアですが、日本ではその上に絶対に短パンをはくんですよ。でも、そのままでもカッコイイと思うんです。それが受け入れられないのが悲しくて。 いつか日本でもひとつのファッションやスタイルとして認められる日がくればいいなと思っていますし、そういうふうに意識が変わるといいな、と。私が個人的にSNSなどで声を上げていく形ではなくて、たとえば雑誌やメディア、広告などを通じてアスリートの美しさやカッコよさを、ファッションの可能性として伝えていく機会がもっと増えていったらいいなと思っています」 ■強さも弱さも出しながら、共感してもらえる人になりたい 「今後どんなアスリートに、人間になりたいか?を考えたら、憧れられるような完璧なイメージには見られたくないんです。さっきもお話ししたように『いろいろ不安に思いながらもサングラスをかけている、試合前はもちろん緊張だってする』と、強いところも弱いところも出していけるほうがいい。そうして、誰かに共感してもらえるような存在でいたいです」