ユニセフ・子どもの幸福度調査で総合1位 オランダの“教育の実態"とは…ブログやSNSで語られる「素晴らしさ」は本当か、現地在住日本人が検証
そこまでたくさんではない。 確かに日本と比べると教育の種類も学校数も多い。だが、都市部と地方では異なるが、筆者の住む周辺では1つの自治体に1校くらいだ。 4 どんな学校も学費がタダ! 本当。 宗教系、オルタナティブ教育、一般の学校など教育の種類にかかわらず、義務教育期間中の学費は無料(ただしオランダの教育機関のみ。インターナショナルスクールは除く)。 教材費もかからず、筆者の子どもが通う小学校では、今年から鉛筆などの学用品もすべて学校が用意することになった。ただし寄付金や校外活動費などを別途請求があり、その金額は学校によって異なる。
5 好きな小学校を選べる! 本当。 学区制ではないため、住所にかかわらず好きな学校を選ぶことができる。ただし人気校はすぐ埋まってしまうため、空きが出るまでほかの学校に通ったり、入学待ちリストに申し込んだりする場合もある。 逆に学校が気に入らなければ、いつでも自由に転校してよい。 ■「進学」は小学校の教諭が決める? 6 塾も受験勉強もない! これはウソ。 というより、日本と制度は異なるものの「全員が受験をして中学校を選択する」必要がある。
オランダでは小学校卒業以降は、進路がいくつかのコースに分かれている。ざっくりいうと、中卒コース、高卒コース、大学進学コースといったイメージだ。しかもどのコースに進んでよいかは、最終学年である8年生の担任を中心に小学校の教諭が決める。 その決定をもとに希望校に願書を出すので、「内申書による推薦入学を全員が受ける」という感じだ。個別に学力テストがある学校もあるが、一発勝負の入学試験というものは基本的にない。
逆にいうと、どれだけ行きたいコースがあっても、指定されたコース以外には願書を出すこともできない。学力や適性を十分考慮したうえでの決定なので、それを覆すためには、小学校最後の年に行われる全国一斉学力テストで相応の結果を出すなど、実力の提示が求められる。 特に国語と算数が重視されるので、苦手科目を底上げするために塾などを利用する家庭も増えている。 さて、ここまでお読みになって、ネットで書かれていることとあまりに違うと思われるかもしれない。