投票行ったら割引価格 広がる「選挙割」 来店増、投票率向上も期待
JA直売所など2000店舗
選挙で投票した人に特典を設ける「選挙割」が全国の商業施設などで広がっている。自治体が発行する投票済み証明書や、写真撮影した投票所の看板を提示すると、事業者などが独自に設定したサービスが受けられる。27日投開票の衆院選では飲食店やスーパーの他、生花店や温泉施設、雑貨店など2000店舗以上が実施。JA直売所にも取り組みが広がっており、来店客の増加や投票率向上にもつながる動きとして期待されている。 JA鹿児島きもつきは17~27日、農畜産物直売所「どっ菜市場」(鹿屋市)で、牛、豚、鶏の精肉を10%割り引くサービスを展開している。インスタグラムや折り込みチラシで開催を案内。20日までに500点以上の商品を対象にした。 直売所が期日前投票の会場になったこともあり、20日の日曜日には約480人が投票に訪れ、レジ通過者は通常の休日よりも150人ほど多かったという。直販統括本部は「選挙割との相乗効果もあったのでは」と手応えを話す。 群馬県の高崎高島屋は15~28日、「選挙割りサービス」を展開中だ。4回目の取り組み。総菜や菓子、パン店など14店舗の商品が10%引きになる他、レストラン街の4店舗はソフトドリンク1杯をサービスする。営業推進部は「県内投票率の向上と選挙期間中に鈍る来店を促進したい」と意気込む。 協力企業がひと目で分かるサイト「センキョ割」を手がける一般社団法人選挙割協会によると、今回の衆院選は約2000店舗の協賛を見込む。 2022年の参院選は約2500店舗、21年の衆院選は約2000店舗が協賛した。国政選挙だけでなく、統一地方選挙や知事選でも選挙割が行われている。 同協会の佐藤章太郎代表は「(取り組みは)選挙をきっかけの地域活性化を目指して始めた。ネガティブなイメージの選挙をポジティブに捉え、“センキョ割”を国民的行事に育てたい」と広がりに期待を込める。 (志水隆治)
日本農業新聞