絶対王者アメリカの懸念…パリ五輪で苦戦を強いられる4つの理由
■ビッグマンの支配
アウトサイド主体のバスケットボールから一転、最近のバスケットボールはビッグマンの影響力が勝利に欠かせないエッセンスとなっている。アメリカが近年苦戦を強いられている理由は、ライバル国の圧倒的な組織力と、各チームでエースを任されているビッグマンの存在に他ならない。 ヨキッチはセルビア代表がストレートインに成功したことで、仮にデンバー・ナゲッツがNBAファイナルに出場したとしても、1カ月程度の休養が与えられる。また、開催国のフランス代表は、ウェンバンヤマとルディ・ゴベアの無慈悲なツインタワーがペイントエリアに君臨。さらに、モリッツ・ワグナーとフランツ・ワグナーの兄弟のほか、ダニエル・タイス、ヨハネス・フォイクトマンらによるドイツ代表のサイズも脅威的であり、悲願の優勝を果たしたW杯では準決勝でアメリカを下した実績がある。 アメリカがエンビードのコミットに奔走したのは、これが最大の理由と見る。同選手はケガの状態が気がかりだが、アメリカは欧州の屈強なビッグマンたちに対抗できるラインアップを用意してくるだろう。
■ダークホースのカナダ
カナダは世界ランキングこそ7位に過ぎないが、フルメンバーで参戦することになれば優勝候補に名前を挙げなければならない。 ロスターの候補者には、MVP級の活躍を続けるシェイのほか、アンドリュー・ウィギンス、ジャマール・マレー、RJ・バレット、ディロン・ブルックス、ルー・ドート、ベネディクト・マセリン、ケリー・オリニク、シェンドン・シャープらが名を連ね、ベンチにさえNBAのスタータークラスが控えるほど層が厚く、ベテランと若手のバランスも良い。 個々の実績こそアメリカには敵わないが、カナダであればチームUSAに黒星をつけても全く不思議に思うことはないはずだ。 文=Meiji
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