今日WBSS決勝!井上尚弥は圧倒支持のオッズ通りKOで勝てるのか。ドネアに番狂わせ機会はあるのか?
ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝(7日・さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が6日、東京九段下のホテルグランドパレスで行われ、WBA、IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)はリミットの53.5キロ、5階級制覇王者で現WBA世界同級スーパー王者、ノニト・ドネア(36、フィリピン)は53.3キロの200グラムアンダーでクリアした。ドネアが「勝てば最強を証明できる」と言えば井上は、「最高の試合をするだけ」と返した。ブックメーカーの予想オッズは、井上勝利が「1.12」倍から「1.15」倍でドネア勝利が「5.1」倍から「5.7」倍と圧倒的に井上が支持され、大橋秀行会長は「パッキャオを超える日本人になっていく」と6階級制覇の現WBA世界ウェルター級王者、マニー・パッキャオ(40、フィリピン)超えへ期待を寄せる。井上はファンの期待に応え、また秒殺KOを再現するのか。それともドネアが番狂わせを起こすのか。
ブックメーカー予想オッズは約5倍差
まるで彫刻されたような肉体美。リミットピタリの53.5キロでクリアした井上尚弥は、力こぶを入れると、その8パックの腹筋は隆起した。 「計量もお互い無事に済んで、あとは最高の試合をするだけ。最高の気持ち」 計量後すぐに経口補水液を飲んだ井上尚弥は珍しい言葉を発した。 一方のドネアは200グラムアンダー。朝起きて400グラムオーバー、風呂に入って200グラムアンダーとなり、そのまま秤に乗った。フェザー級時代は、逆に増量に苦労したほどで、通常体重が58キロ後半のドネアはバンタム級では5キロちょっとの減量で済む。この階級で負けがなく「適正体重だ」というのは、そういうことだ。アウェーでの減量は難しいと言われているが「簡単だった。自己管理しているから影響しない。これから十分に水分を取る」と笑った。 「スペシャルな試合だ。勝てばアリトロフィーを手にしてベストオブベスト(最強)であることを証明できる。私はリング上ですべてにおいて対応できる」 写真撮影用に睨み合うフェイスオフは約20秒。長かった。 だが、離れるとドネアが一礼し井上の方から右手を差し出した。互いに尊敬の念を惜しまぬ爽やかな試合前最後の儀式。ドネアは、「尚弥に別に何も感じなかった。普通に向かいあっただけだ」と、呑んでかかったように感想を述べた。 この日の計量は、欧米式に演出されていて、WBSSが用意した司会者が英語でドネア、井上尚弥と順にインタビューを行った。 司会者が両選手への共通の質問として投げかけたのが、ブックメーカーによる予想オッズについて。主だったブックメーカーのオッズを見てみると、前日計量後の段階で、ウィリアムヒルが井上勝利が「1.14」倍、ドネア勝利が「5.5」、10ベットが井上「1.12」倍、ドネア「5.15」倍、ピナクルスポーツが井上「1.157」倍、ドネア「5.710」倍と圧倒的に井上が支持されていた。 ウィリアムヒルや10ベットには、ラウンドごとの勝利オッズもあり、井上の3ラウンドKO勝利が「7.0」で一番人気。WBA世界バンタム級王座を奪ったジェイミー・マクドネル戦から、WBSSトーナメント1回戦のファン・カルロス・パヤノ戦、準決勝のエマヌエル・ロドリゲス戦と、すべて2ラウンド以内の秒殺KO勝利。賭けの専門家とファンが続けて早期決着を予想するのも当然か。