「4歳未満にポップコーンを与えないで」窒息リスクの注意喚起 日本小児科学会
日本小児科学会は、ポップコーンの未破裂コーンの誤嚥による窒息についての事例を学会雑誌で紹介した際に「ポップコーンは窒息リスクの高い食品であるため、4歳未満児に与えないようにする」との注意を促しました。この内容について武井医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
日本小児科学会が紹介した内容とは?
編集部: 日本小児科学会が学会雑誌で紹介したポップコーンの誤嚥についての内容を教えてください。 武井先生: 日本小児科学会は「小児の事故の中でも窒息は重要度が高く、日常的に発生するリスクがある」としています。学会雑誌の報告書では、2022年12月に当時1歳9カ月の女の子が、容器の底に残っていたポップコーンを食べようと容器を傾けて一気に食べたところ、その直後にむせ込みました。女の子の母親が背部を叩いたところ、女の子は未破裂のポップコーンをいくつか吐き出しましたが、顔色が悪くなり、全身脱力して反応がなくなりました。心肺蘇生法から1分後に反応が現れ、そのまま救急搬送され、ポップコーンは摘出されました。搬送から13日後に女の子は無事に退院したという事例を紹介しました。 日本小児科学会は学会雑誌の中で「アメリカの研究では、ポップコーン、ホットドッグ、キャンディ、ブドウ、ピーナッツ、パンなど10種類の食材を食品窒息の原因として挙げており、ポップコーンは窒息リスクの高い食品として認識している」ことに言及しています。その上で、窒息を予防するために5つのポイントを指摘しています。 ・ポップコーンは窒息リスクの高い食品であることを知っておく ・食べる行為には窒息の危険が常にあるため、窒息につながる要因をできるだけ減らす必要がある ・ポップコーンを食べる際には、未破裂コーンが混在することがあることを知っておく ・4歳未満の子どもにはポップコーンを与えない ・ポップコーンを食べるときには、未破裂コーンを取り除いて1個ずつ食べるようにする