羽田JAL機炎上事故 管制官と海保機のやりとりが焦点
元航空自衛官で評論家の潮匡人氏が1月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。1月2日に発生した羽田空港事故について解説した。 【写真】一夜明け、焼け焦げたJAL機が残る滑走路
日航機、海保機と衝突炎上 乗客乗員全員脱出
1月2日午後5時47分頃、羽田空港(東京大田区)で、新千歳空港発の日本航空(JAL)516便が着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突した。JAL機には子供8人を含む乗客367人乗員12人の合わせて379人が搭乗していたが、全員が機体から脱出した。この事故で海上保安庁の機体に乗っていた6人のうち5人の死亡が確認されたほか日本航空の乗員乗客のうち14人がケガをしていることが確認された。 飯田)航空に関する事故で、日本の航空会社が絡むようなものは、乱気流によるものなどはあっても、こうした形の事故は久しく無かったのですよね。 潮)そうですね。地上での衝突事故ということですので、直接的な原因とすれば管制官とのやりとりということが一番の焦点なるだろうと思うのですが、その点についての国交省の記者会見では「重要なことなので軽々に発言できない」とおっしゃっていて、結局真相や事実関係が今のところは分からないという状態だと思いますが、少なくとも一国民としては、おっしゃるとおり「重要なこと」なので少なくとも現時点で知りうる事実をできるだけ早く明らかにしていただきたいと思います。
管制官の指示が誤っていたのか、聞いた側が聞き取りを間違ったのか、二つに一つ
飯田)一般論になりますが、滑走路に2機がいるという状況というのは、ありえないことですよね。 潮)もちろん、本来全くありえないことですので、管制官の指示が誤っていたのか、聞いた側が(指示の聞き取りを)間違ったのか、二つに一つだと思うんですが、海上保安庁=国土交通省ということでもありますので「軽々に経験に発言できない」という記者会見の発言になったのかもしれませんが、別に誰が悪いということを追及することではなく、再発を防止するためにも、原因が何だったのかをいち早く明らかにする必要があると思います。 飯田)万が一にもそういったコミュニケーションの齟齬があると今回のようなことになるということで、当然現場では、何度も何度も確認や復唱はしてるわけですよね。 潮)もちろんその通りです。ここが決定的な重要ポイントで、言い間違いや聞き取りの間違いは、あってはならないことですし、今回、特に何か気象条件など大きな原因があったという報道は今のところありませんので、なぜこのようなことになったのか、目視でも見えたのではないかなど、いろいろな疑問点がありますので、原因に関する事実については、できるだけ早く公表していただきたいと思います。 ジャーナリスト・佐々木俊尚)一方で、JAL機の方は379人が全員機体から脱出。軽いケガをされた方はいますが、あれだけ炎上しているなか、脱出できたことがすごいと思いましたが、日頃の練度のようなものがあるんでしょうか。 潮)その通りだと思います。イギリスBBCが「奇跡的だ」と放送しているということですが、普段からの訓練の賜物なんだろうと思います。一方で、海上保安庁は「国民の生命と財産を守る」という任務を与えられて日頃から活動しているわけですので、衝突したことによって民間機あるいは民間人に被害を与えたということになればですね、彼らとしても忸怩たる思いということになるでしょうから、その点だけが救いだったと思います。 飯田)この海保機は今回、能登半島地震に関しての物資輸送をしていたという報道もありますので、なおさらですよね。 潮)本当にそうだと思います。