阪神D4位・町田隼乙、田淵幸一級のドでかい夢 レジェンドと同じ強打の186センチ捕手
幼少期から列をなせば最後尾が定位置。大好きな白米を食べまくり、中学3年間で23センチも背が伸びた。常日頃から当たり前のように操縦してきた大きな体。だから「動きが俊敏というところも長所なので、生かしていきたい」。パワーにスピードも兼ね備えた令和の〝打てる捕手〟を目指していく。
ドラフト指名時に掲げた目標は阪神の捕手としてクリーンアップを任され、試合に出ること。「そんなに簡単ではないけど、そこは目標にしています」。186センチは井上(189センチ)、佐藤輝(187センチ)に続いて虎の現役野手3番目の高身長。大きな野望にでっかい体で挑んでいく。
「その2人(井上、佐藤輝)の名前を聞くとやっぱり長打力が出てくると思うので、まだまだ勝てるものではないですけど、その背中を追いかけていきたい」
近い将来見られるかもしれない井上、佐藤輝、町田の〝ドデカクリーンアップ〟。新時代の虎にまた一つの大きな夢が広がった。(原田遼太郎)
■田淵幸一とは
NPB史上12位の通算474本塁打を記録した大型捕手で、3代目ミスタータイガースと称された。1969年にドラフト1位で法大から阪神に入団。186センチ、90キロの体格を生かし、1年目からレギュラーに定着。22本塁打を記録して新人王に輝いた。75年には43本を放って本塁打王を獲得。美しい放物線を描くことから「ホームラン・アーチスト」と呼ばれた。72―76年には5年連続でベストナインを受賞。引退後はダイエー(現ソフトバンク)の監督を務め、2002年から阪神で打撃チーフコーチとして03年のセ・リーグ優勝に貢献した。
■データBOX
◉…180センチ超の大型捕手では田淵幸一(阪神など、186センチ)の後継として、1980年代は伊東勤(西武、181センチ)が黄金時代の要を担った。その後は91年に首位打者に輝き、捕手として史上2人目の通算2000安打を達成した古田敦也(ヤクルト、180センチ)、2003年にパ・リーグMVPを受賞し、米大リーグにも挑戦して日米通算292本塁打を放った城島健司(ダイエーなど、182センチ)が活躍。近年では12年に首位打者、打点王の2冠に輝き、通算406本塁打を記録した阿部慎之助(巨人、180センチ)が躍動した
◉…阪神では1998年D1位入団の中谷仁(182センチ)らがおり、現役では今季は内野手登録の原口文仁(182センチ)、栄枝裕貴(180センチ)がいる