ピムコ、米長期債への資産配分を削減-連邦財政赤字の拡大警告
(ブルームバーグ): パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、米財政赤字が膨らんでいることを考えると、償還までの期間が長い米国債を購入することには「消極的だ」と述べた。歳出を拡大させる連邦政府をけん制した格好だ。
ピムコのマネジングディレクター、マーク・サイドナー氏とプラモル・ダワン氏は、同社が「長期債への配分を減らし」、短中期の米国債を選好していると9日発表のリポートに記した。ピムコの運用資産額は2兆ドル(約302兆円)に上る。
「時間が経過し規模が拡大すれば、投資家のそうした行動は、補償をより多く要求することで政府に規律を求める債券自警団の役割を果たすことにつながる」と説明した。
米連邦債務の累増で米長期債の利回りが跳ね上がることへの懸念が高まっている。市場性のある政府債の規模は、新型コロナ禍前の17兆ドルから29兆ドル近くへと急増している。
「債券自警団が行動する可能性について手掛かりを探しているなら、世界最大の債券投資家に何を今しているのかを聞くのが第一歩かもしれない。この投資家は理論上、市場への影響力が最も大きい」と、両氏はリポートで述べた。
「米債務の持続可能性への疑問、関税や移民制限の影響などインフレを引き起こし得る材料を踏まえると、長期債への投資に一段と慎重になっている」と説明。
2025年の米国債については「深刻化する財政赤字などが原因でイールドカーブはスティープ化する」との見通しを示した。
原題:Pimco Sees ‘Vigilance Before Vigilantism’ on Rising US Deficit(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Michael Mackenzie