SNSで話題「デイサービスの高齢者が元気になる」自作ゲームの仕掛け人「歩行器なしで歩けてる!」
■作ったゲームは約800種類「ほぼ趣味になっている」 ── SNSで発信しているもので約800種類あるとのことですが、どんなゲームが人気ですか? 鷲巣さん:どれも人気ですが、空気を入れたビニール袋のうえにお手玉を乗せ、ビニール袋を叩いてお手玉を飛ばしてゴールに入れる「ゴミ袋シュート」、紙コップを100個重ねられるかを競うゲームなどです。材料も100均やホームセンターで簡単に手に入るものばかりです。
── ゲームのアイデアはどんなふうに考えているのですか? 鷲巣さん:ふだんから頭の片すみであれこれ考えています。利用者さんが喜ぶ顔を想像すると、どんどんやりたいことが出てきます。アイデアに困ったことはないんです。 子どものころの思い出がゲーム作りにつながることもあります。自然のなかで育ったので野山を駆け回ったり、ゲームセンターで遊んだりした経験を思い出して、「ゲームに応用してみよう」と思いつく場合も。
理学療法士として筋肉を発達させたり、関節の可動域を広げたりするリハビリの動きをゲームに取り入れられるように意識しています。 でも、一番重視しているのは自分が楽しいと思えるかどうかですね。「あまりおもしろくなさそう」と感じるゲームは、絶対に作りません。 ── 鷲巣さんがゲーム作りを楽しんでいるのが伝わってきます。物を作るのはもともと好きだったのですか? 鷲巣さん:そうです。高校のとき、建築研究者をめざしていて、建築デザイン科に所属し、図面を書いたりしていました。その経験が活きていると思います。
月曜日から金曜日までは頭のなかでアイデアを練って、週末に自宅の倉庫にしまってある材料を職場であるデイサービスに運び、一気に1週間分のゲームを作っています。 ── お休みの日に職場で製作しているんですか!? 鷲巣さん:最初、上司に「日曜日、ゲームを作るのに職場を使わせてほしい」と頼んだら「休みの日はちゃんと休んでほしい」と言われたんです。 「僕にとってはレクのゲームを作るのが最高の趣味で気分転換です。プライベートとしてやらせてください」とお願いしたら、「そこまで言うなら…」と許可をいただきました。