【解説】イワシ大量死“処理水が関係”? ニセ情報も 英大衆紙まで…どう対応?
有働キャスター 「まったく同じですね…」 小野委員 「こういうのを『悪用』といいます。SNSでは、こうした打ち上げられた魚と福島の処理水を関連づけるような投稿を繰り返しているアカウントもあるんです」
■専門家が考える「可能性」は
有働キャスター 「あの函館で今回、魚が打ち上げられた本当の理由というのは何なのですか?」 小野委員 「そのナゾについては、函館水産試験場の藤岡崇専門研究員に聞きました。いくつかの可能性があると言っています」 「(可能性①)この時期、イワシは北海道から本州方面に向かって南下するといいます。その途中でたまたま冷たい水のエリアに遭遇し動きが鈍くなったり、仮死状態になったりで身動きとれなくなった可能性がある」 「(可能性②)または、イルカやマグロなどに追われて沿岸に追い込まれてしまった可能性がある」 「いずれにしても、処理水が放出される前から一定の頻度であったことだといいます。そして、原子力規制庁の幹部にも聞いてみました。『仮に放射性物質を吸収したとしても、あんな状況が起きるのはあり得ない』といいます」 「水産庁の担当者は『魚についても、水についても政府がモニタリングしていて問題ない。科学的根拠をもとに理解を求めていく』と話しています」
■拡散する“ニセ情報”打ち消すくらいに…
有働キャスター 「落合さん、科学的に証明されているのに記事やSNSで都合のいいように書かれて事実のように出回るわけですよね。これ、どうしたらいいんですか?」 落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー) 「大抵、拡散した情報は間違っていても止めることはできないし、信じる人はいるので、それを打ち消すくらいにSNSを活用するなりして正しい情報を定期的に発信していくっていうのがブランディングには必要だと思います」 有働キャスター 「どういうふうに?」 落合さん 「賛否両論どちらも取り上げてくれないといけない。例えば、小泉進次郎さんが福島の海でサーフィンした話題とかありましたよね。ああいう、ポジティブな発信を政府や自治体が頑張ってやってもらえるといいかなと思います」 有働キャスター 「『定期的に』と言いましたが、これだけ大量に出回るとどういうふうに…」 落合さん 「ああいうニュースが来ても、負けずに『それは違います』と言いつつ、こっちはこっちで発信していくしかないですよね」 有働キャスター 「拡散のスピードには追いつかなくても、政府や東電がしっかり打ち消して、デマはいち早く刈り取ってほしいと思います」 (12月12日放送『news zero』より)