阪神・佐藤輝 “負の連鎖”断ち切った!上昇気配2戦連続マルチで借金生活脱出 リーグ戦再開後・390 「いい波に乗れている」
「阪神2-1DeNA」(6日、甲子園球場) 阪神・佐藤輝明内野手(25)が殊勲の一打でチームの危機を救った。同点の六回に右前に勝ち越しタイムリー。先制された試合は14連敗中だったが、“負の連鎖”を断ち切るとともに、借金生活転落も阻止。岡田彰布監督(66)は阪神監督として通算515勝となり、藤本定義を超えて歴代単独1位に。背番号8がメモリアルな1勝を贈った。 【写真】スタンドのファンに手を振る佐藤輝 お祭り騒ぎだ。黄色く染まったスタンドから輝コールが鳴りやまない。全身に心地いい大歓声を浴びた佐藤輝。ひと振りで連敗を止め、岡田監督に阪神の監督として歴代単独トップとなる通算515勝目を届けた。 勝利をグイッと引き寄せたのは、同点の六回。2死一、三塁の好機で打順が巡ってくると、DeNAは先発の森唯から左腕のディアスにスイッチした。「真っすぐかスライダーのどっちかだったので。頭に入れながら」と初対戦ながらも頭の中は冷静に打席に入った。 勝負はあっという間だ。初球、真ん中寄りに甘く入ったスライダーに反応。力みのないコンパクトなスイングで放たれた打球は右前へ。その間に三走・中野が生還。「うれしかったので出ました」と、勝ち越し打に一塁ベース上でど派手なガッツポーズを決めて感情を爆発させた。 交流戦以降、打撃の状態は上昇曲線を描く。二回1死でもチーム初安打となる左前打を放つなど、2試合連続となるマルチ安打をマークした。これでリーグ戦再開後の11試合に出場し、41打数16安打で打率・390、2本塁打、7打点。好調の要因について「積極的にいって、捉えられているのがいい状態かなと思います」と自己分析する。 今季は不振のため、5月15日に2軍降格。約1カ月ファームで過ごし、結果を残して再昇格を果たした。この日、仲のいい後輩である森下が打撃不振で出場選手登録を抹消。直接声をかけることはできなかったが「彼なりにいろいろ思うところはあると思いますけど。頑張ってほしい」と再起を願った。 チーム一丸となりつかんだ1勝は大きな白星だ。この試合前まで先制されれば14連敗だったが、ようやく不名誉な数字から解き放たれ、指揮官の偉業も達成した。 7日は七夕。球団企画の「ねがいごと」で短冊には「サヨナラホームランを打てますように!」と記した。この流れを止めるわけにはいかない。「いま結果が出ているので。いい波に乗れているので、頑張っていこうと思います」と佐藤輝。向上心で満ちあふれている若き主砲の勢いは止まらない。 ◆阪神の粘り腰 今季黒星先行は4月17日巨人戦終了時(7勝8敗2分け)が最後。5月23、25日に今季最多の貯金7。その後失速し5割で迎えた試合は4度あり(6月7日西武戦、16日ソフトバンク戦、7月2日広島戦、6日DeNA戦)、そのすべてで勝利を収めている。