【コラム】シティオブトロイ古馬初挑戦 うわさされる米国遠征実現へ負けられない一戦
英ダービーを制し、名馬への道を突き進むシティオブトロイ(牡3、A・オブライエン、父ジャスティファイ)が古馬に初挑戦するエクリプスS(G1、芝1990メートル、サンダウン)が6日(土曜)に近づきました。 ここ10年の勝ち馬の中から、その半数の5頭が後に全欧年度代表馬に選ばれるなど近年、ますますその存在感を増しているエクリプスS。今年は3歳馬5頭、古馬6頭の計11頭が出走を予定しています。 昨年デビューから3連勝で、2歳牡馬王者に輝いたシティオブトロイは5月の英2000ギニー(芝直線1600メートル)こそ休み明けで9着に敗れましたが、立て直して臨んだ先月1日の英ダービーでは横綱相撲でライバルをねじ伏せて優勝。その時に6馬身差3着に退けた僚馬ロスアンゼルス(牡3、父キャメロット)が先週の愛ダービー(芝2400メートル、カラ)を制したこともあって評価はさらに高まっていて、エクリプスSの前売りでは単勝2・6倍の断然人気となっています。 古馬の代表は前走のタタソールズGC(G1、芝2100メートル、カラ)で、ディープインパクト産駒オーギュストロダンを2着に退けた芦毛のホワイトバーチ(牡4、父ユリシーズ)。2強の対決が主軸となっていますが、この他にも5月のコロネーションC(G1、芝2410メートル、エプソム)を逃げ切ったルクセンブルク(牡5、父キャメロット)や昨年のG1英セントレジャーの勝ち馬で休み明け2戦目の巻き返しを狙う日本産馬コンティニュアス(牡4、父ハーツクライ)など実力馬が脇を固めています。 レースの性質が異なる英ダービーとエクリプスSの連覇(同一年優勝)は近年では15年のゴールデンホーン、09年のシーザスターズの2頭だけ。歴史をさかのぼっても89年のナシュワン、71年のミルリーフなど1886年のレース創設以来、8頭を数えるのみです。 夏以降にうわさされる米国遠征を実現させるためにもシティオブトロイにとって負けられない一戦になりそうです。 【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)