モンゴル人力士がやたらと強い理由 チンギス・ハーンに憧れる赤いほっぺの青年、終始筋肉の話しかしない 実録・人間劇場
ウルギーに到着後、ベルックが通っているジムに案内された。そこにはムキムキのカザフ人たちが集結しており、チンギス・ハーンのポスターが張られた横でこめかみに血管を浮き上がらせながらダンベルを持ち上げていた。どうかしたら、「チンギス・ハーン!」と叫んでいたかもしれない。
ベルックだけではない。モンゴル人男の多くがチンギス・ハーンに憧れ、強い男を目指しているのだ。モンゴル人の力士がなぜあんなに強いのか、わかった気がした。
■國友公司(くにとも・こうじ) ルポライター。1992年生まれ。栃木県那須の温泉地で育つ。筑波大学芸術学群在学中からライターとして活動開始。近著「ルポ 歌舞伎町」(彩図社)がスマッシュヒット。