【明日の金ロー】クリスマスをテーマに、全く異なる2作品を楽しめる「冬のディズニー第3弾」
13日の金曜ロードショー(後9時)は、「冬のディズニー」の第3弾として、「アナと雪の女王/家族の思い出」(2017年、日本公開は18年)と「美女と野獣/ベルの素敵なプレゼント」(1997年)の2作品を同時に放送する。 「アナ―」は、日本でも大ヒットした「リメンバー・ミー」と同時上映された22分の短編。「美女―」は劇場公開用ではなくパッケージ作品として発売されたもので、地上波での放送は今回が初めてとなる。いずれも、間近に迫ったクリスマスがテーマの作品だ。 「アナ―」の”主人公”は、雪だるまのオラフ。アレンデールがクリスマスの空気に包まれる中、エルサとアナは子供の頃に別々に暮らしていた上に、両親が事故で亡くなってしまったことから、クリスマスの家族の伝統がないことに気付く。落ち込む2人を見たオラフは、様々な家族のクリスマスの伝統を教えてもらうために国中を駆け回る。 劇場で公開されるディズニー映画で、”本編”の前に上映される短編には、いくつかのジャンルがある。それは「ミッキーマウスが主人公の作品」「オリジナルの作品」、そして、今回放送される「アナ―」のような「過去作品のスピンオフ作品」だ。 そのスピンオフ作品の中で、「アナ雪」は今作のほか、15年に「シンデレラ」と同時に公開された「―エルサのサプライズ」、20年の「―オラフの生まれた日」の3本の短編があり、これは最多。いかに「アナ雪」が愛された作品であるかが分かるだろう。ちなみに、今年8月にはディズニーが27年の「アナ雪3」の公開と第4弾が製作されることを明言。今後も期待が高まる中、本作もぜひ押さえておきたい作品だ。 一方、「美女―」は91年(日本は92年)に公開された長編のパラレルワールド的な作品。雪に閉ざされた城で、ベルは燭台(しょくだい)のルミエールやティーカップのチップたちとクリスマスを楽しく祝うことを計画。城の主である野獣へのプレゼントをひそかに準備する。 だが、野獣は、それを良しとしない。さらにベルと心を通わせ始めた野獣を見て、かつて宮廷音楽家だったパイプオルガンのフォルテは自らの立場を守るために2人の仲を引き裂こうとする―という内容となっている。 ディズニー作品において、プリンセスと同様に重要なのが「ヴィラン(悪役)」の存在だ。「美女―」のヴィランといえば街一番の二枚目のガストンだが、本作には登場しない。その代わりがフォルテなのだが、この二人(正確に言えばフォルテはオルガンだが…)、実によく似ている。 ガストンはベルと結婚をするために、ありとあらゆる策を弄する。それに対して、フォルテも自身が主人である野獣にとって一番の存在であるために、ベルを陥れようとする。共に自分に自信満々であるところも同じ。キャラクターは全く異なるが、共通点を持たせているところがうまい作りだといえるだろう。 タイプが異なる2作品を同時に楽しめるのは、金ローではめったにない経験だ。(高柳 哲人)
報知新聞社