【マーメイドS】ミッキーゴージャス、重賞2勝目へ万全リハ 安田師「精神的な刺激を与えた」
マーメイドSの追い切りが12日、東西トレセンで行われた。栗東ではGⅠ2勝のミッキークイーンを母に持つミッキーゴージャスが坂路で鋭い伸びを披露。実戦を意識した最終追いでトップハンデ56・5キロをはね返し、愛知杯以来の重賞2勝目を狙う。 初夏の日差しを浴びて、力強く駆け上がった。大阪杯14着から巻き返しを期すミッキーゴージャスが栗東坂路でシャープな走り。安田調教師は納得の表情を浮かべた。 「全体時計は求めずにやりました。オーバーワークを避けるため坂路で。気温が上がって馬体が充実してきました。コンディションは良さそう」 前半からゆったりと運び、小気味いいフットワークでラスト1ハロンを過ぎると、乗り手が軽く促してスピードアップ。4ハロン57秒5─12秒4とスムーズな加速でフィニッシュした。6日に栗東CWコースで6ハロン79秒7─11秒6と負荷をかけており、「あれで体はできました」と順調ぶりを強調。万全の状態でレースに向かえそうだ。 実戦を意識した最終追いでもあった。「坂路で上手に加速できないところがあって、それが競馬にも出ている印象」とトレーナー。その坂路であえてラストに仕掛けることで「坂路でのモタモタした状態で『行くんだよ』、という指示を出すことで精神的な刺激を与えたかった」と説明した。決して目立つ時計ではなかったが、中身の濃い最終リハーサルだったというわけだ。 オークス、秋華賞とGⅠ2勝のミッキークイーンが母という良血で、ここまで8戦5勝。掲示板を外したのはオークス、大阪杯(ともに14着)のGⅠだけでポテンシャルは高い。父の安田隆厩舎の解散に伴い、2走前の愛知杯V後に安田厩舎へ。転厩初戦の前走は「調教の良さをレースで全く出せなかった。気の悪さが出て、走るほうに気持ちを持っていけなかったですね」と振り返る。その上で「能力は間違いなくある」と力を込めた。 トップハンデの56・5キロを背負う。「見込まれたとは思いますが、そのハンデに見合う走りを見せたいです」と安田調教師。勝って賞金を加算できれば、今後の選択肢も広がる。「ここを含め、競馬に対する意識を変えさせたい。この時期は良さそうなので、夏の勢いのまま秋につなげられれば」。偉大な母に追いつき、追い越せ。実りの秋へつながる走りを見せる。(山口大輝)