宮城県勢27年ぶり新入幕の時疾風…抱負は「2ケタ勝って技能賞」…大相撲夏場所12日初日
日本相撲協会は10日、大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。宮城・栗原市出身で同県勢27年ぶりに新入幕を果たした東前頭15枚目・時疾風(ときはやて、27)=時津風=は初日に西同14枚目・欧勝馬(27)=鳴戸=との新入幕同士の一番、2日目は同16枚目・宝富士(37)=伊勢ケ浜=との対戦が組まれた。 宮城期待の星が、幕内土俵の晴れ舞台に挑む。時疾風は今場所前、出稽古に来た霧島(28)=音羽山=、豊昇龍(24)=立浪=の両大関らの胸を借りた。 所属する時津風部屋には、普段から幕内上位の力士が多く集結し、実力者と肌を合わせてきた。それだけに「毎回来てくれるメンバーなので、幕内で取るからといって変わったことはない」と“予行練習”はバッチリだ。稽古では豊昇龍を寄り切るなどの見せ場もあり、「自分の形になって勝てたので、自信になる」と手応えをつかんでいる。 宮城県出身では、1997年春場所の五城楼(現・浜風親方)以来の幕内力士誕生。3月の春場所後に帰省した際には「周りからいろいろと声をかけてもらった。自信になったり、頑張ろうという気持ちになった」と地元の応援を力に変える。 新十両だった昨年夏場所は6勝9敗で負け越し、1場所で幕下に逆戻りとなった。期待を裏切る結果に「悔しかった」。そこから稽古場では四股とすり足を徹底した。「多い時は300、400回の四股を踏む」と地道な努力を続けた。その成果もあって同年名古屋場所は幕下で全勝優勝。1場所で十両に復帰した秋場所から4場所連続勝ち越しを決め、幕内の座を射止めた。新入幕の今場所も変わらず、基礎固めを怠らない。 夏場所へは「2ケタ勝って技能賞」と抱負。先場所は尊富士が110年ぶりの新入幕優勝の快挙を果たしただけに、不可能な目標ではない。今場所前には長崎県出身の志織さん(26)と4月8日に結婚したことも発表。2場所連続で新入幕が旋風を起こし、慶事に自らの手で花を添える。 (大西 健太) ◆時疾風 秀喜(ときはやて・ひでき)本名は冨栄(とみえ)秀喜。1996年8月25日、宮城・栗原市生まれ。27歳。瀬峰小2年で相撲を始めた。宮城・小牛田農林高3年で全国高校総体・個人3位。東農大卒業後、時津風部屋に入門。2019年春場所で初土俵。23年夏場所で新十両。得意は左四つ、寄り、上手投げ。179センチ、133キロ。
報知新聞社